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中途採用・新卒採用の面接をやってて思ったこと(その4)

前回は新卒採用の面接で、学生さんに求めること、こうしたら面接って突破できるんじゃないか、といった話をさせていただきましたが、今回は中途採用です。転職活動されてる方も多いと思いますが、そうした方に少しでも参考になれば、と思います。

前回の新卒もそうですが、今回の中途採用の面接の話については、アパレル・雑貨業界に身を置いている私の、あくまでも個人的な見解に基づいた話になります。全ての業界や個人に当てはまるわけではありませんし、面接が合格することを保証するような類のものでもございません。その辺りをご理解いただいた上でお楽しみいただければ、と思います。

中途採用の面接で面接官が見ている大切なこと

①とにかく「仕事のスキル」を見てます。

当たり前、といえば当たり前の話ですね。中途採用となると、新卒の学生さんをポテンシャルで採用するのとは異なり、即戦力として来ていただき、すぐにでも業務にあたって欲しいわけです。その際に、こちらの業務を遂行するにあたって必要な業務知識や人脈、取引先との関係、といったスキルやノウハウをどれだけ持っているか、それが肝心なところになります。

中途採用をする背景は様々だと思いますが、現場レベルでの中途採用となると、間違いなく「思いがけない欠員」が出てしまった場合がほとんどです。もしくは、これは稀ですが、その会社が急成長していて、企業規模を急いで拡大させなくてはいけないような場合です。私も以前いた会社がまさにそんな状況でしたが(それが紆余曲折あって今の会社となるわけですが)、すぐにでもバイイングしてほしい、取引先と商談して欲しい、売り上げ分析して欲しいのです。入社してもらったらいきなりレッドゾーンにふかしてもらって、MAXスピードで走って欲しいわけです。そんな状況なわけですから、採用したい方は、自分達と同じことがある程度できることが条件になってきます。なので、どんな仕事ができるのか、きてもらったらすぐにでも業務にあたることができるか、見極めたいのです。

なので、面接でご自身をアピールされる際は、自分はどんな業務を行ってきたのか、より具体的に話して欲しいです。できれば、今業務で使っている資料などを共有してくれたら最高です。もちろん数字など見せられないものもあると思いますが、そうした場合はフォーマット、空の表だけでもいいです。それだけでもどんな仕事をしているのかが手にとるようにわかります。それが、あなたの「価値」になるわけです。

②スキルの次は、「人柄」です。

これも、すごく大切なポイントです。性格の良し悪しとか、話し方とか立居振る舞い、挨拶マナーや身だしなみ、そういったことひっくるめての「人柄」を結構注目しています。会社の社風もありますし、入っていただくチームの人員構成も関係してきます。そうした中に飛び込んでもらっても、すんなり業務ができるかどうか、話を通じて判断しています。これはもう素の自分を恥ずかしがらず、さらけ出してもらうしかないと思います。でも、意外にこれができない方は多いです。緊張されていても、ちょっとした世間話から笑顔や笑い話ってできると思うんです。そうしたことを通じて、笑いのツボは一緒かな、とかノリはいい方かな?などといった感じで人柄を見極めています。

プロフェッショナル集団ではありますが、チームで動く日本的なワークスタイルはどうしても残ってしまいます。なので、人柄判断はどうしても考慮してしまいます。それは採用される側=面接を受けている方にとっても、アンマッチであったら不幸になるわけです。

面接に呼ばれた、ということは、業務はできるスキルは最低限持っているであろうという判断が既に下されているわけです。それは職務経歴書などから大体判断がつきます。なので、面接ではそうしたスキルの細かなポイントをついた確認と人柄を見ていることが多いです。よって、もし面接をして不合格だった場合は、スキル不足ということもありますが、それ以上に組織や社風、チームとの融和がうまくいかないかも、と思っての判断だったんだろうな、と考えていいと思います。

皆さんも、反対の立場、つまり中途で入ってくる社員を迎え入れるチームの一員だとしたらどうでしょう。スキルは一流でも、人柄がなんかうまくフィットしないってなったら、チームとしての成果が挙げられるでしょうか?多様性を狙った採用ももちろんありますし、人柄よりもスキル優先、業務的に期限や限界が迫っているなどあれば採用するかもしれないですが、往々にしてそうした方は早めにご自身でドロップアウトしていってしまいます。それはこちらにとっても残念でなりません。もし不合格になったとしても、そうなんだろうなと前向きに捉えて次に進んで欲しいと思います。

③「スキル」や「ノウハウ」はあなたのもの、ぜひそれを持ち込んできて欲しい。

中途採用で期待していることに、こうした「ノウハウ」を持ち込んでくれることを期待していることもあります。そのノウハウで、こちら側の業務効率や生産性向上につながれば、と思っていたりします。

最近のニュースで転職した企業に、前職の技術や情報を持ち込んで裁判になった事例がありました。これは携帯電話の特殊な技術に関するものであり、利益に直結する重要な部分だったので、裁判という事態になってしまったのだと思います。いわゆる「情報流出」というやつですね。

確かに転職、というと普通は同業者です。異業種への転職ケースもありますが、大概は同業他社、競合相手だったりするものです。就業の規約に同業他社への転職を禁じるような文言があったりしますが、厳密にはそれで縛られるようなことはありません。先程の問題は、かなり重要な企業の機密に関するもの、利益の源泉になるような情報を相手に持ち込んでしまった、という事例です。

そういった流出は、さすがにNGですが、それ以外に関しては、基本的にはノウハウを持ち込んできて、いかんなくそのスキルを発揮して欲しいのです。転職経験のある方や、そういった中途採用を積極的に行っている会社や部署の方ならお分かりだと思いますが、同じ業界であれば、大概同じことをやってます。それはシステムが同じパッケージだったり、同じコンサルタントからアドバイスをもらっていたり、それこそ先に中途入社した他の方がノウハウを流布していたりするわけです。そしてそうしたことを率先してやっているのは、意外にも経営層の方に多いです。それが目的で採用されているわけですからね。

なので、これはダメだろう、的なネタを持ち込むのはNGですが(それがどんなものか、くらいはご自身で判断しましょう)、それ以外に関してはどんどんノウハウをフル活用して業務に当たって欲しいですし、面接の場面でもそうしたことを積極的にアピールして欲しいと思います。事実、私もSPA業態の大手3社を経験してますから、大体やっていることは一緒だなぁ、ということは理解してますし、もっと言えば、今は同業他社の皆さんとの交流も結構活発で、コロナ禍以前は合宿形式の研修に数十社から参加して情報交換も行ってます。だから、遠慮なくノウハウを持ち込んできて、面接でアピールして欲しいわけです。

いかがでしょうか。中途採用の面接に関しては、かなり会社ごとの個性が出ると思いますが、考え方などはそれほど差はないと思っています。私自身、今の会社で50人以上中途採用してきましたし、面接は数え切れないほど行ってきました。採用後に失敗した事例もたくさんありますし、よかったな、と思えた採用もたくさんあります。そうしたことを全部集約すると上の3つのことになるんだろうな、と思います。転職活動って結構大変ですよね。私も昔苦労しました。そうした立場がわかるからこそ、こうしたことを発信して少しでもお手伝いできればと思ってます。

それでは、また!


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