アパレル業界の話。
1年ほどサボってました。また書いてみようかと思います。
私は今アパレル業界のど真ん中で仕事をしています。マーチャンダイザー(MD)と呼ばれる職種で、商品の企画を進めたり、予算と折り合いをつけながら、どうやって仕入れをしようか、と考えたり、店頭の展開はどうしようか、在庫はどうしようか、といろんなことを考えながら、周囲を巻き込んでお客様に商品を届けています。ただ、私は最前線で頑張っているMDたちをまとめたり、会社が行きたい方向へ案内するような立場となって、大きな舵取りをしています。
いまアパレル業界って、
どう見られているんでしょうね。
ニュースや報道、メディアで紹介されるたびに、世間一般にはこの業界はどう見られているんだろうか、と思いに至ることがあります。
最近は、環境問題やSDGs的な考えから、在庫問題、廃棄問題などがよく取り上げられたりしています。私もそういうニュースを見ると、心が痛みます。
長年、MDやってきて、売れ残って、在庫が溜まってしまい、最後に廃棄してしまう、というのは、ないわけではありません。多かれ少なかれ、どの会社でも過去やってきています。だから社会問題として取り上げられているわけですから。
なぜ廃棄するようになるほどの商品を作ってしまうのか。
いろいろな憶測や推測、現場の方の意見なども見られますが、率直に私の思うところをご紹介したいと思います。MDの方、同業者の方、ご参考になれば幸いです。
まず廃棄在庫が生まれる最大の理由は、「発注が多すぎる」ことです。
聞けば、当たり前のことですよね。
「そんなこと、誰でもわかってるよ。それにそんなに発注してないって」
大体、こんな言葉が返ってくることが多いと思います。
発注=仕入を管理・運用する上で最大のポイントは
「売れる分だけ仕入れること」
これに尽きます。これを守らないから、在庫が多くなる。
いやいや、売れる分なんて、実際わからないでしょ?神様でもなきゃ
何がどう、いくら売れるなんて当てられっこないじゃん、
と、屁理屈を言われたりもしますが、それはその通り。
未来の予測なんて、確率は50%ずつですから、当てになりません。
そうではなく、「予算通りの金額(=お小遣い)」だけ使い切れば
良いのです。意外に、これって守られてなかったりします。
私は中途採用を取り仕切ったりするので、何百、何千という方々の履歴・職歴書を拝見してきました。そして何百回と面接をしてきましたし、延べ100人近く中途でMD等を採用してきました。その中で、各社さんの話を伺ってきた中で、意外にもこの仕入れ管理が「ザル」だったりします。
そもそも、会社で仕入れ予算が設定されてない、好きなだけ仕入れていい、というところもいくつかあります。予算はあるんだけど、売上と連動していない、経営陣がおおよそで決めた数字がある、とか、予算枠はあるんだけど、いい企画がたくさん出ると売れると見込んで、大体予算を超える仕入れになる・・・など。
結局、予算なんてあってないような状況なんだな、というのが伺えます。
過剰在庫、廃棄ロスとなるような在庫が生まれる原因は、
発注にあるわけです。大体発注し過ぎなんです。
ではなぜ、人は、MDは発注し過ぎてしまうのでしょうか?
考えられる理由はいくつかありますが、
それはまた、次回に。
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