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レンピッカ 官能のアール・デコ

機能性や合理性を求め都会的な美を表現したアール・デコ様式。
アール・デコは第一次世界大戦によって多くの男性が戦場に行ったため、女性の社会進出が起きたことから生まれた美意識です。
女性画家タマラ・ド・レンピッカはそうした美意識の象徴であり、彼女の作品からはアール・デコの空気が感じられます。

タマラ・ド・レンピッカ《緑の服の女》


レンピッカはロシア帝国支配下のワルシャワで裕福な家庭に生まれましたが、その人生は波瀾万丈なものでした。
ロシア革命によるパリへの亡命。離婚。
画家になったのも娘を抱え生計を立てるためでした。

成功への強い情熱とその才能により、彼女はたちまち上流階級の人々から高い人気を得るようなりました。
前衛的なキュビスムの影響。冷たい質感と鮮やかな色彩。20年代の退廃的な都会の雰囲気。
さらに彼女自身の美貌や両性愛者としてのスキャンダルな要素も彼女の芸術を孤高のものとしています。

レンピッカの絵から感じられる女性の強さと官能的な愛。
それは自身の激しい人生を静謐の中でとらえることによって生まれた美しさと感じます。

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