ビアズリー 白と黒の耽美
オーブリー・ビアズリー(1872-1898)
白黒で描かれる妖しくも美しい世界。
悪魔的なデザインと静謐の余白。
挑発的であり高貴でもある。
ビアズリーの絵は観るものに中毒性をもたらす。
19世紀末のイギリスを代表する挿絵画家。
耽美主義の代表的作家であり、アール・ヌーヴォーを象徴するイラストレーター。
25歳で亡くなった短い生涯であったが、彼の生み出したスタイルは後の芸術家たちに強い影響を与えている。
ラファエル前派、古代ギリシャ美術、日本の浮世絵などに影響を受けた彼の作品は、クラシカルであると同時に大胆な構図による独特の様式美が見られる。
代表作である『サロメ』などはジャポニズムによるデザインの感性がよく表れている。
私たち日本人がビアズリーの絵に親しみを感じるのもそのためである。
ビアズリーは幼い頃からひどく体が弱く、常に死を感じる人生であった。
彼の作品には死に対する恐れと甘美な想いが感じ取れる。
白と黒は生と死の表れであり、そこに描かれる線は彼の生命のうごめきである。
退廃の中の命の輝き。
その儚い美しさに私は感動する。
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