木下長嘯子「うなゑ松」原文
やへ/\のおとうとに、三となつくめるは、のちすみける人の、みたりにあたれるなるへし。この君うまるへき月みちて、母おもくわつらふことありしかは、いかならん、もゝにひとつも、えいきとまらし。かたき命成けりとわひあへるに、思ひのほかたいらかにて、あと/\さへこゝちさはやかなれは、いとよし。うちつけことする女共は、いてやむつきの中より、おやに孝ありてもさしいて給へること、いひはやす。したしきかきりは、門楣のよろこひなときこゆ。とし月ふるまゝに、らうたく生たちて、ことし十七になりぬ、か