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無加水培地培養実験 - 3

 オリジナルのアスペン・チップ無加水培地ウスヒラタケ菌糸瓶のその後の経過報告です。

植菌後2日経過
植菌後10日経過
植菌後18日経過

 菌糸が種菌層からボトルの培地約1/3程度まで伸びてきました。培養は順調で上部に代謝水の結露が多くなってきていますので分解も確実に進行していることが確認できます。しかし、加水培地に比べると菌糸の伸張時間はやはりそれなりに掛かるようです。ただ、それをデメリットと受け取るかどうかということですが、それを打ち消すに十分なメリットを今、実感しているところです。
 それは、画像をご覧いただけば判るように、チップ材の木肌色と菌糸体の色が真っ白ですよね。ボトル内に不純物はまったく見当たりません。クリーンです。そう、やはり予想どおり、カビの発生が皆無です。オリジナルの菌糸培養ではこのメリットは大きいです。つまり、成功率がほぼ100%だということです。実際、今回仕込んだボトルでカビの発生したボトルは在りません。しかも、製作の仕込み時の手間も大幅に省けるのですから、正に一石二鳥となります。
 菌糸の1500ccボトル全域への蔓延には一ヶ月少々は掛かると見込んでいるのですが、それはあくまで「菌糸の伸張」による蔓延であって、チップ材の腐朽菌による分解については更に時間的猶予が必要となる筈ですので、最低限、大凡3ヶ月から半年は熟成期間が必要ではないかと考えているところです。それでも腐朽深度は「激浅」レベルだと思いますが。まあ、これまでの加水培地の仕込み時のように、成功か失敗かどうかの判断を一週間程度観察し続ける気分的ストレスを考えれば、こっちは仕込んでさえしまえば、あとは静置して待てば良いだけのことなので、この安楽製造と通常の加水工程の製造とでは手間が雲泥の差です。
 いやあ、裏技ってのは編み出すもんです。

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