パルプ食ってます
早くもボトルに観察窓が空きました。
充填量の塩梅が難しい
うーん……これはパルプの充填量が少なかったかもしれません。いきなり空間が空き過ぎてます。しかし、これ以上ボトルに詰め込むのは手作業では困難だったのです。無加水パルプだとこの分量が限界で、これ以上押し込むとボトルが割れる危険性がありました。加水すればもっと圧縮できるので割り増し増量はできるのですが、そうしますと、今度はわたしが理想と考えておりますオオクワガタに適正な水分量を超過してしまうのですよね。それと同時にカビのコンタミ・リスクも増大する。このあたりの加減が製作上の難しいところです。
パルプ培地のデメリットは、そのような物理的な問題が殆どでして、なんとか製作手法さえ工夫すれば改善可能と言えば可能なレベルです。あと、分解が早い(菌の蔓延が早い)反面、当然ながら劣化も早いということがあります。ですので、敢えてボトルの使用期間を延ばすような使い方には不向きです。
一方、メリットは、幼虫がよく食べてボトル内での落ち着きも良いということ。これにはパルプ培地未体験のブリーダーさんは驚かれることと思います。考え方を変えて、短期交換用としての使用に割り切れば、かなり実用性の高い菌糸瓶となります。低C/N比培地を幼虫は忌避し拒食反応を起こすということがもう解りましたので、菌が蔓延したてのパルプ菌糸瓶を短期交換リレーし、常に高C/N比餌環境を保つというのはオオクワガタ幼虫の場合には好手と言えるかと思います。
ポイントは水分量と充填量
いやあ、本当に幼虫はパルプ大好きですね。オガやチップよりも幼虫にとっては食べ難い培地だと思うのですが、食欲はアスペン・チップでも良好ではあるものの、パルプだと更に旺盛に見えます。やはり、リグニンが除去されているので消化がし易いのかもしれません。
但し、水分量には要注意で、通常のオガやチップ材と同様の水分量を加えると、極端に劣化を早めてしまいます。とは言っても、生木材の場合とはまた違った変質を来します。どろどろの少し硬めのヨーグルト状になるんです。それでも幼虫の健康には害はありませんでしたが、蛹化変態時には上手く蛹室を作れない可能性がありますし、羽化時にも不全を誘発する原因となるリスクがあります。それらの問題を回避する解決策として今回は無加水植菌としたわけです。
充填量に関しては、使用する容器(ボトル)にもよります。乾燥した状態のパルプ材と種菌をオガやチップ材と同様の分量分を詰め込むのは至難の業でして、これは本当に技が必要になります。何か楽な方法はないかと思案しているところです。