禁断の必須裏技アイテム!
そうでした。忘れていました、冬季に入る前にこの記事をUPするのを。
変態か?!
はい、オオクワガタはご存知のとおり完全変態する昆虫です。でも、勘違いしないでください、わたしは人間なので変態しませんし、変態でもありません。がしかし、今回の投稿は一つ間違えばそう思われてもおかしくない投稿になり兼ねませぬ。先に申しておきますが、くれぐれもおかしな解釈はなさらないように前もってお願いしておく次第であります。
さて、冬季のオオクワガタの成虫の飼育管理——冬眠——ですが、みなさまはどうされておられますでしょうか。オオクワガタは自然界では冬眠するとされています。がしかし、羽化後の蛹室内での越冬個体は数々採集してはきたものの、天然下での冬眠成虫個体というのをわたしは未だに野外では見たことがありませんし、従って採集経験もありません。他の冬眠昆虫(スズメバチやオサムシ、カタツムリなど、あと、昆虫ではないが蛇)は偶に見つかるのですが、幼虫の採集できるような腐朽材の中で越冬していたというオオクワガタ成虫は見つけたことがありません。成虫の冬眠場所としてはおそらくミスマッチなのでしょう。ならば一体、彼らが自然界ではどのような場所で冬眠しているのか、わたしには未だに謎のままです。今後、解明してみたい大いなる謎のテーマの一つです。
それはさて置き、今回の話題は飼育個体の管理上の話であります。
水分が重要
冬眠期間中のオオクワガタ成虫の生命維持に必須なのは水分であり、成虫にとっては乾燥が非常によろしくないということです。これは、これまでの飼育経験での観察でそれに関しては大いに実感しておりまして、特に♀の場合は水分要求量が♂よりも多いと思います。これはおそらく、体躯が小さいので体内に蓄えておける水分量が限られているからだとわたしは推察しています。実際、冬眠環境中に水分が不足してしまいますと、最悪、冬眠中に死んでしまいます。
冬眠中はゼリーなどの餌は必要ないとされてはいますが、実は冬眠中でも水分補給は必要なのです。ですので、飼育ケース内の床材——足場用や緩衝用——などを適度に湿らせ続けておくことが肝心であるとされておりますが、オオクワガタはそれらから水分を適時補給して凌いでいるというわけです。しかし、果たしてそれで十分と言えるのでしょうか? わたしは不十分と考えています。その根拠は下のコラムで追って述べさせていただきます。
清潔、安全、冬季中放置O.K.
で、早速、KYOGOKU流、秘伝のソリューションのご紹介です。
使用するのは女性用パンティーライナー!
「……はああ?!」
解りますとも、その反応。無理もありません。がしかし、冷静に、ここは最後まで熟読をお勧めします。これは最強のオオクワガタ冬眠管理法なので。
このスペック↓をご覧あれ。
冬眠用の汎用資材で言いますれば、例えば、昆虫用マットというのは水分補給しますと、同じく水分を必要としている雑虫の湧く温床になり兼ねません。これは、そこに雑虫の餌となる有機物も含まれているからです。また、カビの繁殖も大いに考えられます。ですので、不潔とまでは言えないまでも衛生的とは言えませんよね。そこで、わたしは、通常の冬眠用床材としては水苔かハスクチップを推奨します。これらですと、難分解質の炭素繊維が主ですし、水分の吸収量が多めの素材なので冬眠期間中の給水回数を軽減できるでしょう。がしかし、これでも完璧ではありません。何故なら、オオクワガタはもっと多量の水分を求めているということが後々解ってきたからです。
そこで、思考停止を罪悪とするわたしは知恵を働かせまして、実は当初は水分を吸収保水する高分子ポリマー・ジェルなるものをamazonで購入して、そのジェルを茶漉し用のティーバッグに詰めて水に浸したものをずっと使用していました(これは過去投稿動画があります)。これは機能的に完璧です。
がしかし、これも管理作業としては少々手間が掛かり面倒なんですよね、飼育個体数分、ある程度の数量が纏まりますからね。それでも以来、これはわたしの無敵の越冬管理アイテムとなりまして、お蔭で冬季中は給水管理無しに完全放置でも安心して成虫を飼育管理することが可能となりました。しかも、春先に目覚めた成虫はいずれも元気で、その後も長生きするのです。
そして、このようにして数年越冬飼育観察してきますと、このポリマーのジェル・バッグにですね、頭を突っ込んでいたり、中には、全身をポリマーの中に潜めて寝ていたりする♀個体なんかが散見されるようになったんですね。その当初は、水没死させてしまったと驚いたものでしたが、いえいえ、しっかり生きていました。これには毎年驚かされるんですけどね。つまり、成虫は冬眠中、それくらい水を求めているということであり、その方が健全なのだということなんです。これは、インセクト業界でこれまで定説とされている必要水分量よりも遥かに多い水分量を求めているということです。この事実はポリマーを実使用してみるまで得られない認識でした。
100均ショップはアイディアの宝庫
そして、ある時にですね、いつものように100均ショップで細々したものを物色していたときにですね、偶々目に入ったのですよ、女性用のパンティーライナーなる物のパッケージが。昨今はインフレによる競争激化でドラッグストア、コンビニ、100均ショップのテリトリーと言うか、セグメント分けの境界が曖昧になってきています。中でも100均ショップというのは主に主婦の味方的商品開発と品揃えが肝要と見えて、いわゆるキッチンやトイレ用品、衛生・サニタリー関連、コスメティック、ホームクリーン用品などが最も充実していますよね。で、これらの商品群の中には男性でも趣味やD.I.Y.、収納などに有用で転用可能な便利アイテムが多いので、わたしはいつもチェックするわけです。
件の吸水ポリマーはですね、例えば、携帯トイレやおむつやなんかに使用されているものと基本的には同一のものです。つまり、パンティーライナーなるものもそれらと吸水機能はほぼ同じ。生理用ナプキンもほぼ同様なんですが、こちらは保水分量や機能的に高機能すぎてオオクワガタ用としては手に余るオーヴァー・スペック品です。
そのとき、わたしはお店のそのコーナーの周囲に女性が居ないことを確認し、パッケージを手に取って商品説明の詳細を確かめてみました。確認すべき問題点は、オオクワガタにとって害となる材料が含有されているかどうかです。ノー・プロブレム。はい、このパンティーライナーには、我々、オオクワガタ飼育者が求めているすべてが揃っていたのであります。早い話が、保水力、抗菌力、消臭力、この三つで求むべきスペシフィケーション的にはもう完璧でしょうよ!
軽く解説
という経緯で、パンティーライナーを既にオオクワガタ飼育管理用品として導入決定し、わたしは安定使用していたというわけです。結果、作業も軽減、予算も縮小でき、ポリマー&ティーバッグ法よりも更にパーフェクトです。まあ、インセクト業界でパンティーライナーをクワガタ飼育管理に使用しているという人は他には居られないと思います。しかし、今後はこれがスタンダード化するでしょう。しませんか?(笑)。
女性にはいちいち説明の必要は無いと思いますが、如何せん、我々、男性には馴染みのないアイテム故に以下は画像付きの解説となります。女性のみなさま、どうかご容赦ください。まあ、流石にこれを見て欲情するなどという殿方は居られないとは思います。もし、居たらそれは本物の変態さん認定ですかね。
何と言ってもですね、これ、サイズ感が絶妙なんですよね。画像のように、丁度クリアースライダー(Sサイズ)にスッポリと収まるサイズ感です。保水量も必要にして充分。とにかく、吸水させてケースに放り込んでおくだけで、あとは冬眠明けの春先まで完全放置でまったく問題ありません。その頃に確認しますと、大抵、ポリマーのジェル塗れになった個体を見れることと思います。特に♀はシートを噛み破って、ポリマーの中に全身入り込んでいる個体が多いんです。そう、それくらいオオクワガタは冬眠中は水を欲しているんです。
この事実から推察しますと、ひょっとすると、自然界では沢筋などの水場にほど近い場所、例えば、泥濘んだ地中なんかを冬眠場所にしているのかもしれないなどとわたしは考えたりもしています。実際、初夏に活動し始めたばかりの冬眠個体と思しきコクワガタやヒラタクワガタを採集しますと、身体中が泥塗れだったりしますからね。しかし他方、羽化後に土中から這い出てくる種であるノコギリクワガタやミヤマクワガタの体躯がそのような泥塗れではなく、比較的綺麗な姿であることを考えると、それよりも水分量の多い地層などで冬眠していたと考えられるのではないでしょうか。この考察は当たらずとも遠からずな気がします。
まとめ
パンティーライナーを自分で購入するのは恥ずかしいというシャイな日本男児はですね、彼女さん、或いは、奥さまに余剰に購入しておいてもらうなどすれば問題ないでしょう。そして、くれぐれもその使い道は正しく伝えておきましょう。実際の使用例を見せれば絶句されること間違い無しだとは思いますが(笑)。
オオクワガタの成虫は冬眠ではなく、活動状態のまま越冬させますと、その分、寿命が縮まります。ですので、冬季には休眠(冬眠)させた方が長生きするわけです。がしかし、冬眠環境の水分供給が不足していますと、これもまた早死にの原因になります。誰が何と言おうと、パンティーライナー冬眠法は究極の越冬管理ソリューションなのです。このハンドリングを怪しむのは勝手です。そういう方はどうぞ、スルーしてください。でも、1シーズン使ってみれば、目から鱗でわたしの言っていることが解りますよ。成虫を長生きさせたければ、パンティーライナー冬眠法です。