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その時はKYOGOKU流家元を名乗ります

 実は2024 Lineageの早生まれ早育ちの♀個体が居まして、その個体の発育が大変優秀なんですよね。♀にしては培地を無駄なく移動しており、食べっぷりが良いのです。まるで♂のような体躯で体長も長い。しかも、まだ体色が青白い。「これは!」というオーラを纏っているんですよ。まあ、ボトル越しの見た目なので、実際に取り出してみたらそれほど大きくなかったということはよくあるので、早合点は禁物だとは思うのですが、ひょっとしたら、次回のボトル入れ替え時には15g UPは行くのかもしれない感じに見えます。だとしますと、羽化後の成虫サイズは50mmを楽に超えてくるサイズ感です。当家のレコードが45mmなので、一気に目標クリアーの5mmゲインということになります。
 一方、♂の方ですが、上の♀よりも成長がやはりのんびり。しかし、食餌量はオスの方が或る時期を境に♀を追い越すようになります。「♀の状態が先行判断材料」というタイトル記事を先日UPしましたが、ということはですね、上の♀を目安に予測すると、♂の30g UP、羽化後の成虫サイズの80mm UPも見えてくるではないですか。

ゲームを決める監督の采配

 現状、早熟組の個体群の1000ccボトルの約2/3が食痕になっているのですが、食痕は褐色化しておらず、再発菌も見られてリサイクルのループが発生しているような状態で良好なのですよね。こんなに美しい木肌色の食痕が、こんなに長期間維持されたという経験は過去にありませんでした。わたしの理想であり、目標としてきた菌糸瓶管理が今回は見事に実現できています。
 そして、通常ですと、もう間も無く交換という段取りになるのですが、幼虫、菌糸瓶の活性共に良好故にここが思案どころなのです。食痕の状態からも高C/N比を維持していると見れますし、再発菌部分を食餌しているのも確認できています。餌材としての劣化が極めて少ない状態なので、まだ暫く幼虫を移動させない方が良いのか、それとも、新しい培地を充てがった方が良いのか、という極めて難しい判断が求められるところです。良い状態をわざわざ崩すというのは現状復帰不可能な不可逆行為になることから勇気がいるもので、かと言って、判断を鈍らせれば劣化の閾値を超えてしまって時すでに遅しと相成ります。やはり、この1本目から2本目への交換が鬼門というか、飼育で一番難しい場面だとわたしは思います。この環境変化によって幼虫の挙動に変化が生じてしまうリスクが高いからです。最重要問題は、それによって臨界サイズに影響が出てしまわないかという懸念ですね。幼虫の挙動変化が起こらないような餌材交換が求められるシーンなわけです。
 で、2本目へは培地違いのオリジナル無加水菌糸瓶を充てる予定で、♂用にはパルプ培地と、♀用にはアスペン培地という変則リレーです。これは、1500ccボトルの無加水アスペン培地の菌蔓延が遅かったという事情もあっての変則対応なのですが、やはり、比較して明らかに菌の蔓延が早いパルプ培地の消化吸収の優位性を見込んで、3令中期♂の発育をバックアップする効果に期待しての使用です。
 ♀の場合、もう既に臨界サイズ受容期に至っている頃と見越しています。ですので、おそらく、これから徐々に食餌量も落ちてくる頃と考えています。すると、後は事実上の冬眠と蛹化・羽化用ボトルとなりますので、分解に時間の掛かる無加水アスペン培地がむしろ適正かと考えました。

KYOGOKU流血統家元発祥なるか?

 まあ、今はあくまで期待感含みの皮算用でしかありませんが、KYOGOKU血統の当面の目標が♂:80mm UP、♀:50mm UPなので、もしも、これが実現できるとなれば、ちょっとワクワクしてしまいます。というのも、この目標が達成できたなら、KYOGOKU血統種として個体販売開始してもよいかな、と考えていたからです。実は、以前から販売リクエスト自体は個別に受けていたのですが、お断りしてきました。それは、わたしにとってはこの体長数値目標達成がKYOGOKU血統を名乗って世に出す一つの条件と考えていたからです。
 あと、オリジナル菌糸瓶についても同時に完成度を高める努力をしてきましたし、今尚、鋭意開発中なのですが、もしもですね、これがワイルド個体群を大きくゲインさせられる餌材に成り得るのだとすれば、これも販売の視野含みのアイテムになってきます。まあ、菌糸瓶については製作上の諸問題の解決が大きな課題なので、そう簡単には行きませんが。
 それと、もう一つ、オオクワガタ共生酵母菌KYOGOKU株ですね。これも飼育材アイテムとしてラインナップできますよね。或いは、オリジナル菌糸瓶に添加済みというセットアップ形態でも可能ですし。でも、これに関しては単品販売の方が圧倒的にわたし自身の感覚的には気分的に楽です。
 まあ、でも、飼育材に関してはですね、もしも販売可能だとしても極小ロット生産ではコスト・パーフォーマンスが明らかに悪いので、販売してもほぼ利益が見込めないと思うのですよね。作れば作るだけ手間が多く掛かってしまうだけだとは思います。そして、必ずロスも発生しますのでね。なので、特にオリジナル菌糸瓶の販売に関しては実現性は非常に低いとは思います。

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