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大人になったと感じる瞬間

大人とこどもの分水嶺は「台風一過」の「いっか」を「一家」と勘違いしているかどうかというただそれだけである。
そのため、大人とこどもは実際そんなに変わらない。

しかし、最近、大人になったなあと思うできごとがあった。
ひとりでファミレスに入店し、席に通されたとき、若者(大学1~2年生くらい)の男女の集団が隣の席にいて、いっせいにこちらを見てきた。
そういうとき、学生時代であればなんとなく居心地が悪くなり、食べているときも常に緊張に悩まされていたものだ。
それが最近になって、全然気にならないことに気がついた。

中学生は中学生を意識し、高校生は高校生を意識し、大学生は大学生を意識する。
考えてみれば当たり前である。
大学生は中学生のグループを(よっぽどいかつい集団でない限りは)意識したりしないだろう。
それは、中学、高校、大学と年齢が上がっていくにつれて私も経験していたことである。
しかし、大学までは同じ年代の人間の視線がやはり気になるため、学生という身分が失われてはじめて、あぁこれは同じ年代(とくに学生)に対してのみ発動する居心地の悪さだったんだということに気がつくのである。

ファミレスで若者の視線を感じながら、改めてそれを理解した。
そして、大人になったなあとしみじみ感じながら、キッズメニューのまちがいさがしに勤しむのである。

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