国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)へのレポート提出と、ミーティングにおけるスピーチ全文
DV・虐待を許さない弁護士と当事者の会、Kids Voice Japan 及び Safe Parents Japanは、国連の女性差別撤廃委員会が行う8年ぶりの日本審査にあたり、共同親権と面会に関する問題を指摘する2通のレポートを提出し、その内容を委員に周知するためにジュネーブ入りしてロビイングを行いました。
また10日14日に行われた、委員会委員とNGOとのミーティングにおいてスピーチを行いました。
https://webtv.un.org/en/asset/k1s/k1sdy2d4ho
(00:41:45~)
(スピーチ全文)
I am speaking about issues regarding articles 2(d) and 16(d).
This year, Japan introduced the joint parental authority system post-divorce starting from 2026. We, the lawyers who have dealt with many family law cases for decades, are seriously concerned such a system may make mothers suffer more than ever, because our legal system lacks protection for DV victims and economically vulnerable women, and the abusers will be able to use the court to continue to harass their victims.
For more than a decade, family courts have been forcing parent-child visitations even when there is abuse in the family.
Regarding the lack of protection, half of single-mother households live in relative poverty, as 70% of them do not receive child support and cannot escape poverty even if they work so hard, because there is significant wage gap between men and women. 90% of divorces are done by mutual agreement without any legal scrutiny. Many women just want to get out of marriage and give up child support or sufficient division of property.
Members of the Committee, We sincerely ask you to make the necessary recommendations to the Japanese government, as we stated in our reports.
(和訳)
(女性差別撤廃条約の)2条(d)と16条(d)に関する問題について述べます。
日本では今年、離婚後の共同親権制度が導入され、2026年から施行されます。何十年もの間、多くの家族法事件を扱ってきた私たち弁護士は、この制度が母親達をこれまで以上に苦しめることになるのではないかと深刻な懸念を抱いています。 DV被害者や経済的弱者である女性に対する保護が制度上不十分であり、加害者が裁判所を利用して被害者に嫌がらせをし続けることができるようになるからです。
この10年以上、家庭裁判所は家庭内で虐待があっても、親子の面会を強要してきました。
保護の不十分さについてですが、母子世帯の半数が相対的貧困状態にあり、その70%が養育費を受け取れず、男女間の賃金格差が大きいため一生懸命働いても貧困から抜け出せません。離婚の90%は、法的な審査を経ずに双方の合意だけで成立しています。 多くの女性は、ただ結婚生活から抜け出したいあまりに、養育費や十分な財産分与を放棄するのです。
委員会の委員の皆さん、私たちがレポートで述べたように、日本政府に対して必要な提言を行っていただくよう、心からお願いいたします。
提出したレポートに関してはこちらをダウンロードして下さい。