帰る所が無い
20代を終わりを迎える頃、地元の友達はほぼ全員結婚した
政令指定都市とはいえまだまだ村社会の堺。地元の知人達は未だに周りの目を意識しながら生きている
いや、そうしないと生きて行けない。同級生集まりは欠席裁判の始まりで、みんなの二面性が気持ち悪くなって行かなくなった。どうせ自分も何か言われてるに違いない
地元の友達関係を断ち、高校の柔道部も集まらなくなった。最後に集まった時も、未婚独身の私に対する風当たりはキツかった
だいたい旧友の集まりごとは結婚していない者に対するイジリから始まる
私の弟の事は知っているが、そこと結婚が結び付かない。粗探しをしまくられ、くだらなさ過ぎる指摘を受ける。たまーに真っ当な指摘を受けるも根本的に男のきょうだい児であるが故の苦悩には結び付かない。私もいちいち説明しない。みんなコンプレックスとプライドの塊だ。隣の眼を気にして隙あらば弱者を見つけて叩こうとする。異質は排除する、イジメなんて大人になっても無くなりはしない
職場でも社長に言われた事がある
最初は心配して言ってる感じに聞こえたが、段々周りに人がいる時にわざわざ大声で独身である事をイジリだす。職員も苦笑する
誰かこの人に紹介してやってよ〜と笑いながら言われるという苦痛
短気な私は言い返すと更にヒートアップ。逆らわれた事が無いからビックリしていたようだ。もちろん私だけでなく色々な人をイジメていたからスタッフは離れ、顧客も離れていったようだ。ざまあみさらせとほくそ笑む。多分潰れるだろう。こんな風に思う自分にも自己嫌悪
40代の独身男性は弱者男性というらしい。ろくに女性経験が無い、モテない、人として欠陥品のように扱われる
20代の自分が今の自分を見たらビックリするだろう。もっと夢と希望に満ち溢れてると思っていたあの日。大人になればなるほど現実がわかり、それ相応しい人間になっていくが、我々きょうだい児の現実はあまりに厳しい
目標の10分の1でも高いくらいだ。辛過ぎる
もちろん会話にもついていけない
嫁、旦那の話。子育て、嫁姑、学校に至るまで。そんな会話が始まると黙るしかない
普通な顔してるとスネてるように思われるし、笑顔を作るしか無い。これがどれだけ苦痛か
あれだけ楽しかった友達付き合いも嫌になっていく
実家に帰れば独身である私を口撃され、自分がいかに苦労して今の位置に辿り着いたか、お前とは頭のレベルが違う、お母さんは賢い、お前はアホなんや気持ち悪いと罵倒される。しかし外ではいかに子供が大切で愛しているかと吹いて回っている。狂気と思える二面性だ。友人に言うとビックリしてた
そんな実家に何の未練も無く、地元にも興味は無い
本当だったら今すぐにでも出て行って、遠い場所、日本じゃなくて海外生活は今でも夢に見る
誰も知らない所でゆっくり生きたい気持ちは若い頃から変わらずある
しかし今の仕事を投げ打って行く勇気も気力も無い
現実的にはのらりくらり交わしながら、一人で這いつくばってでも生きるしかないのが現状だ
お陰様で人付き合いは最小限、ストレスは限りなく少ないし、今が1番生きやすい
他の人から見たら哀れで仕方ない、事情を知ってる人から
『私やったら自殺するわ!』
とまで言われた今が1番生きやすいのは何とも皮肉なものか
ふと読み返してもひねくれ過ぎてると思うがあながち間違いでも無い。これから先、体力気力が下降線を辿り続ける事を想定したら生き地獄が待ち受けてる自分の未来に恐怖する。いや、もう全てにおいて諦めるしかない。若干喘息気味やけど普通に息が出来てる今に感謝。それ以上は何も望むまい。
人間は不平等なのは身に沁みて良くわかってる。別に特別なものは求めてない
しかしここまで希望を下げに下げざるを得ない私の人生って、前世で一体どんな大罪を犯したのか気がかりで仕方ない
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