私にとっての「熱帯」的な文学作品とは何かと考えた時、まず初めに思い浮かんだのは、小学生の頃、内容もよく理解しないまま同級生の友人の影響で読んでいたコバルト文庫シリーズのラブコメミステリーの作品である。お小遣いを出し合って買い集め、こっそり読んでいたその頃、その読書家の友人と2人で砂場で遊んでいたある日、一眼レフカメラを持ったおじさんに声を掛けられ、人懐こい友人と人懐こくない私は、危うくわいせつ事件に巻き込まれそうになったが、私が友人の手を掴んでその場から逃げ出したお陰で大事