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エントロピー(続き)
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エントロピーについて続き
いよいよ本題だ
エントロピーは以下の簡単な式で求めらる
S(エントロピー)=Q(熱量)/T(絶対温度)
これは長年熱力学に関わった学者の皆さんが、数々の実験を繰り返し、「カルノーサイクル」と呼ばれる理想の熱機関の体系をまとめ上げた際に派生した式である
カルノーサイクルでは、熱を仕事に変える事もできるし、逆に仕事で熱を奪う事もできる
つまり現実には存在しない可逆性熱機関である
これを利用して熱効率を調べていくと、至る所にQ/Tの式が出現し、更に現実の熱機関においては何か仕事をするたびにこのQ/Tが増えていくことが分かる
そのためこのQ/Tをエントロピーと名付けて、不可逆性の指標にしようと決められたのである
ということで、本来のエントロピーとは「熱力学においてたまたま見つかった不可逆性の指標」ということになる
そして上記の式から分かることは
・熱の移動量が多ければ多いほど、不可逆性は高くなる
・温度の変化量が大きければ不可逆性は低くなる
・少しの熱で温度が跳ねあがる熱機関があれば可逆性に近付ける
ということになる
次にエントロピーが日常生活にどんな良い事があるのか考えてみると…
“熱力学におけるエントロピーは、日常生活には全く役立たない”
という結論に至った
単に不可逆性の度合いを数値で求められる、ということであり、余程の事がない限り、このエントロピーの数値だけを利用する事はないと思われる
そもそも現実的に必要なのは、仕事量や熱効率であり、その中にはQ/Tの式は至る所に入っており、何もエントロピーを意識しなくても、それらは求められるからである
エントロピーの現実的な用途は、大学での熱力学の試験問題だけしかない
エントロピーを知っても、実生活において何の役にも立たないのである
じゃあ…
エントロピーという言葉を使うのはなぜだ⁉︎
こんな難しい専門用語をわざわざ使うなんて!
ちょっとオサレに使って見るだけなのか?
「エントロピー」は複雑さや乱雑さを表すための考え方ってことだから
エントロピーが増えるってことは
ごちゃごちゃして考えるのが大変になる!ということ
「エントロピー」は、状態がもとに戻らない時(不可逆変化)に使えるってことになるわけだ
例えば…
コーヒーにミルクを加えたとき
最初はコーヒーの上にミルクがのっているだけだが
かき混ぜてみると
コーヒーとミルクが混ざり合って一緒になる
これはまさしく
一度混ざりあったコーヒーとミルクは元通りにならない
という「不可逆変化」を表している
ミルクの分子が、コーヒーの分子の間に入り込んでいるということで
どのミルク分子が、どのコーヒー分子とくっつくかを調べようとしても
分子の組み合わせはいろいろ
組み合わせの可能性もたくさんあって
考えるのが大変である
このように、考えるのが大変な複雑なことを表すのが
「エントロピー」という言葉
単に「エントロピー」=「複雑さ」となるわけだ
使い方は上記のように
「複雑で考えることが多くなる」
といった状況の時に
「エントロピーが増大している」
と使うことができる
なんだか…
この言葉自体を使うことに
“エントロピーが増大する”んじゃないか⁉︎
※以上、科学の雑学Q&Aより
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