Creap買ったよ、おばあちゃん。
大きな黄色い瓶をスーパーで見かけて、おばあちゃんを思い出す。昔からある、コーヒーに入れるクリープ。おばあちゃん家に行くと独特の“おばあちゃんのにおい”がして、コーヒーを愛飲していたおばあちゃんだから、テーブルの隅に赤いシュガーポットと黄色い大きなクリープの瓶が置いてあった。
今日、スーパーで見かけて、手についたクリープがやたら美味しかった記憶が蘇って、、つい、買っちゃったよ。
小さい瓶の方。買ってみたよ。最近、ミシン始めてさ、家にはかわいい生地がたくさんあってね。だからかわいい生地にのせてみたよ。
蓋を回して開けてみたら、なんか、昔と作りが違ってる。大きい瓶だったら昔と同じだったろうか…。
去年の夏、蓄膿症を患ってね、つい1ヶ月ほど前、耳鼻科を変えたら症状がぐんと良くなったよ。気合い入れて治そうと思って、出された薬が目一杯効くように、コーヒー我慢してたんだ。
薬もなくなって、鼻の調子も良くてね。コーヒーきらしてたから買いに行ったんだけどね、そしたらクリープが目に入ってね。コーヒーに入れるとこんな味になるんだね。大人になった今、やっと分かったよ。
おばあちゃんは地元の老人施設にいたが、一度病院に運ばれて、それ以降、コロナの影響もあって移動するにできず…病院に入ったまま。昭和4年生まれ。数年前から痴呆になり、私の事も娘である母の事もわからなくなってしまった。
でも、たぶんコーヒーはわかる。
クリープもわかる…かな。
今度、地元に戻ったら、一緒にコーヒー飲もうね。おばあちゃん。