見出し画像

<第65回> 異業種・異職種への転職は、どうすれば実現できますか?


こんにちは、安斎響市です。


今日いただいた質問は、

まだ転職活動自体に踏み切れていませんが、安斎様のnoteと本を参考にキャリアを考えながら生活しております。

安斎様のnoteなどでは 「同職種・同業種からキャリアアップ」を狙うような記事を良く見かけますが、「異職種・異業種からキャリアアップ」というのはあまり見かけません。積み重ねにならないから不利になる事やキャリアアップが難しいから等の理由があると理解しておりますが、難しいのでしょうか。

新卒で営業になってしまい数年経ちましたが、元々の軸で営業を考えていなかったので毎日が辛いです。このまま営業を続ける自信もないです。

以前、他の方への回答で「同じ会社の中で異動を狙う」という話を見かけましたが、異動機会のない会社の場合は安斎様の場合はどのように転職を考えて行くかお聞きしたいです。


 というものです。

※この週刊連載:安斎響市の「転職相談室」(毎週土曜日更新)は、マシュマロというツールで募集した匿名の質問に対して、安斎響市が、徹底的に真面目に答えていくという企画です。

かなり込み入った質問や、人生相談のような投稿も多く、Twitterで140文字だけの回答だと私の意見を説明しきれないため、毎週1問、このnote記事で徹底解説していきます。

質問の投稿は、こちらから


こういう「職種を変えたい」「異業界転職したい」という質問投稿、割と定期的に来ますね。

  • 職種を変えたい = (例)営業から、マーケティングや広報などに転身したい

  • 業種を変えたい = (例)ファッション業界から、IT業界に移りたい




過去に私は、「異業種」かつ「異職種」など、自分の経験がほとんど活かせない転職は、基本的にすべきではない、と書籍などで書いてきました。



私にも転職って、できますか? 〜はじめての転職活動のときに知りたかった本音の話〜の第4章「転職に『市場価値』なんて必要ない」の中でも、はっきりそう書きましたし、



転職の最終兵器 未来を変える転職のための21のヒントの物語の中でも、主人公・松村は、同業界かつ現職と関連する職種での転職を目指す、という設定でした。




私自身は、異業種への転職、異職種への転職を過去に何度か経験しています。

いずれも、正直言うと、かなり失敗に近いです。

◆一度目「異業種への転職」 27歳 のとき
転職前:ニッチ分野の製造業(海外営業)
平社員(担当者クラス) 年収450万円 

転職後:巨大産業の製造業(海外営業)
平社員(担当者クラス)年収600万円

結果:業界があまりにも合わず、絶望して1年後に元の業界に戻った

----------------------------------

◆二度目「異業種かつ異職種への転職」32歳のとき
転職前:ニッチ分野の製造業(商品企画)
アシスタントマネージャー(係長クラス) 年収800万円 

転職後:ITサービス業(事業企画)
シニアマネージャー(部長クラス)年収1,500万円+インセンティブ

結果:職種があまりにも合わず、2年半後に社内転職で商品企画職に戻った


私が、異業種・異職種の転職をあまりオススメしていないのって、言わば、自分自身の苦い実体験からなんですよね。

同業種・同職種の転職と比べて、異なる業界への転職異なる職種への転職は非常にハードルが高く、なかなか内定をもらえませんし、仮に転職できたとしても、スムーズに定着できないことが多いです。

異業種・異職種だとしても、今までの職種との強い関連性・類似性がある道でないと、転職後は相当に苦労します

それでも、今日の質問者の方のように、異職種・異業種への転職でキャリアアップを実現したいという希望を持っている人も実際多いと思うので、この記事では、どうすれば異業種・異職種への転職を成功させられるか? という話をしたいと思います。


異業種・異職種への転職は難しいのか?


今日の質問の中では「異職種・異業種の転職でキャリアアップは難しいのでしょうか?」と聞かれているのですが…

すでに述べた通り、非常に難しいです。


転職するだけならともかく、転職を機にキャリアアップは、ほぼ無理です。


まあ、当たり前ですよね。

例えば、

ここから先は

2,941字
この記事のみ ¥ 300
期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

頂戴したチップで「餃子とビール」を購入させていただき、今後の執筆活動に役立てたいと思います。安斎に一杯おごりたい方は、ぜひチップをお願いいたします。