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No.71 -「週3出社」が一番ダメ。
先日、Amazonが「週5日出社」を義務化する方針であることが分かり、またフルリモート vs. 出社の論争が過熱しています。
Amazonは、コロナ期間中は当然フルリモートだったわけですが、それが2023年に週3日出社になり、2024年後半の今になってついに週5出社に回帰という流れです。
同様にGoogleやMetaなども、以前はフルリモート体制でしたが、現在では週数日の出社を義務化しています。
リモートワークの火付け役と言っても過言ではないZoomでさえ、自社の社員には週2日の出社を求めています。在宅勤務需要によって急成長した企業が実は在宅勤務を推奨していないというのは、なかなか皮肉な話です。
日本でも、メルカリやNTTなどの大手IT企業がフルリモートを廃止し、出社義務化に舵を切っているようです。
ただ……
この動きを見て、「GAFAでさえ出社回帰なんだから、フルリモートはもう終わりだ」「Amazonが言ってる通り、フルリモートの働き方は駄目なんだ」という思考になってしまうのは、流石にアホ過ぎると思います。
あなたは一体いつからGoogle勤務になったんだい?
それは、「Googleにとって / Amazonにとってはフルリモートは最適ではなかった」という個々の企業の判断でしかありません。
いやいや、あなたはGoogleの社員ではないし、Amazonの社員でもないでしょ? 無名の中小企業で働いている年収400万円くらいのヤツが、GoogleやAmazon目線で物を語るなよ。という話です。
「GAFAがこう言っているから、それが正解なんだ」というのは、単なる思考停止です。例えるなら、「スティーブ・ジョブズは毎日同じ服を着ていたらしいから、俺も毎日同じTシャツを着ている」という自称:学生起業家と同じ匂いがします。
「Googleが調査した結果、フルリモートだと生産性が落ちることが明らかになった」というのは、"Googleのような高度人材が集まる巨大IT企業においては" という条件付きです。
GAFAの出社回帰の流れを見て、SNS上では「もうリモートワークは続かないぞ」「これから企業は次々に出社回帰していくんだ」という発想をする人が多数派ですが、おいおい、リモートワークに故郷の村でも焼かれたのか? と若干心配になります。
一体なぜ、「GAFAがそう言っているから」で済ませてしまうのでしょうか。
日経BPの最近の調査では、「週3日以上のリモートワークを実施した人の割合」が2022年以降のコロナ終息によって減少し続けた後、実は2023年から2024年にかけては増加していることが示されています。
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東京都が行っているリモートワーク実施率調査(最新版は2024年4月発行)や、パーソル総合研究所の第9回・テレワークに関する調査(2024年7月)でも、ほぼ同じ傾向が見られます。
2023年から2024年にかけては、リモートワーク実施率が上昇していることが複数のデータで証明されています。コロナ終了と共に一旦減っていた数字が、再度回復傾向にあります。
実は今、日本国内で来ている流れは「出社回帰」ではなく「リモートワーク回帰」なんです。
GAFAの動向を気にするんじゃなくて、日本国内対象の調査データを見ようよ、という話です。あなたはGAFAの社員じゃないんだからさ。
そして、出社か? リモートワークか? という議論には、本質的にはほとんど意味がありません。
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