<第127回> 30代以降、どのくらいの頻度で転職するのが良いでしょうか?
こんにちは、安斎響市です。
今日いただいた質問は、下記のようなものです。
転職のスパンについての質問です。
最近の20代〜30代前半くらいだと2〜3社経験(1〜2回転職活動)が一般的だと思っています。
30代以降ではどのくらいのスパン(何年おき)で転職されるのでしょうか? さすがに30代以降で3〜5年おきの転職は高頻度すぎると思っています。
キャリア構築や考え方によって異なると思いますが、安斎さんの考えを教えていただきたいです。
今日は、 転職の回数や頻度に関する質問ですね。
特に、「最適な転職のスパン」って、20代の若いうちと、30代以降でどのくらい変わるのか? というのがポイントかもしれません。
これ、なかなか難しい質問なんですが、できるだけ分かりやすく、いくつかのパターンに分けて答えていきたいと思います。
「アラサーで転職2回」は平均より多い
最初に少し、前提の話をします。
今日の質問文の中には、" 最近の20代〜30代前半くらいだと2〜3社経験(1〜2回転職活動)が一般的だと思っています。" と書いてありました。
しかし、この理解は、若干実情とズレています。
厚生労働省の「雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査)」という統計によれば、20代までの転職経験は平均で「1回未満」、30代まででもせいぜい平均「1.3回程度」です。(令和2年度調査時点)
なので、20代で転職を1回でもしている人というのは、一般的に見ればやや珍しい部類に含まれますし、アラサーで2回転職を経験している場合、平均よりは明らかに多めです。
いくらメディア等で「転職ブームだ」と言われていても、国家統計で平均を取れば、実態はこんなものです。
そして、今日のお話の大前提として、こういう「一般論」や「平均値」を参考にするのって、ほとんど意味がないと私は思っています。
「一般論」では、キャリアは作れない
基本的に、ビジネスパーソンのキャリアというのは、「他人とちがうことをした人」の勝ちです。
言うまでもなく、「一般的なキャリアの積み方」「平均的な転職スパン」に沿って行動をしていたら、「一般的な待遇と役職」「平均的な年収」しか手に入りません。
「普通のこと」しかやらない人って、「普通」にしかなれないんです。
なので、「一般的にはどうか」「どのくらいの頻度で転職する人が多いか」みたいなことを考えれば考えるほど、自分のキャリアを強くすることはできなくなっていきます。
今日の質問者の方が、すでに書いている通りです。
" キャリア構築や考え方によって異なると思いますが、安斎さんの考えを教えていただきたいです。"
答えは、「最適なスパンなど明確には存在せず、人それぞれの志向や考え方によって異なる」です。
ただ、それだと質問回答になってないと思うので(笑)、今日は、大きく3つのパターンに分けて、「30代以降、どのくらいの頻度で転職するのが妥当か」について考えていきます。
管理職として、マネジメント・経営層への出世を目指す場合
スペシャリストとして手に職を付けて、生き残っていきたい場合
できるだけ無理なく働いて、ワークライフバランスを大事にしたい場合
一つずつ、説明しましょう。
① 管理職として、マネジメント・経営層への出世を目指す場合
まず、会社の中で出世していきたい、課長クラス、部長クラス、いずれは経営幹部へと登り詰めたいと考えている人の場合です。
普通に考えると、「長期的に出世したいと思うなら、転職はなるべくしないで、一社で働き続けた方が良いんじゃないか?」という意見の人が多そうです。
しかし、実際は、意外とそうでもありません。
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