モテモテの理由は顔じゃないよ! アーティストも色々③
「わかる/わからない」の視点で、アートに関わる話を、思いつくままつらつらと綴っています…。
画家ははたしてモテるのか? 何とも陳腐な質問でごめんなさい。でも、気になったことありませんか。
ミューズ:ギリシア神話の女神の意味が転じて、特に美貌や行いに秀でて芸術家等に影響を与えたモデルや女優。 Wikipediaより引用
モデルと浮名を流したとされる画家と言えば…もう数えきれません。感受性が強いのですぐに惚れてしまうせいなのか、創作意欲をかきたてる存在をいつも求めているせいなのか、愛とか恋とかの話題に無縁な画家はいないのではと思うほどです。とは言え、一方的に好きになっても恋人としての関係は成り立たないはずなので、アーティストには何か人を引き付ける魅力が、もともと備わっているのかもしれません。
凡人の私としては、見てくれの良いほうがよりモテるのだろうと勝手に想像してしまいますが、実際にはそうでもないようです。まぁ、顔の良し悪しは全く持って個人の好みではありますが…。
こちらの画家はご存知ですか?
優しそうなおじさんですが、決してイケメンではないですよね。グスタフ・クリムト(1862‐1918) この顔は知らなくても、キラキラと黄金色に輝く作品を見て「あれを描いた人かぁ」と思う方は多いはず。
生涯独身ですごし、自画像を描かなかった画家ですが、モデルたちとの間に14人!の子どもを設けていたというのは驚き。アーティストの魅力は顔じゃないですよね。
クリムトは19世紀末から20世紀初めにかけて活躍した画家ですが、新しい時代に相応しい芸術を追求し、日常の生活の中に「美」を浸透させようと、まさに精力的に活動を続けたアーティストです。その揺るがない信念と行動に、周りの人は心動かされたのでしょうね。
参考『芸術新潮 2019年6月号』
見てくれだけで人を判断してはいけません…が、クリムトの描く作品の見てくれの良さに、ついついほれぼれしてしまう私です。
《アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ》
グスタフ・クリムト
1907年
138(H)×138(W)㎝ / 油彩・金彩、カンヴァス