「てえしたこたねだのさ」《みちのく いとしい仏たち》
痛ましいニュースからの年明けとなった2024年
アート初詣はこちらに行ってきました。
《みちのく いとしい仏たち》展
東京ステーションギャラリー
2023年12月2日~2024年2月12日 開催
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202312_michinoku.html
どことなくユーモラスな仏さまたちに出迎えられて、まずはほっこりとした気持ちに。「お顔が何とも素朴だよなぁ」とか「可愛らしいお姿ですこと」などとのんびりと巡っていくうちに、「実はこんなことがあってね…」と、ついつい話しかけたくなってきました。
「はじめてお目にかかります
・・・
村にはほとけさまがいるんだよ
だまって何でもうんうんと
聞いてくれるほとけさま
・・・
わたしたち
これからもずっとあなたの
そばにいて
ふふふと笑ってみています」
*図録冒頭の「詩編」より
民間仏って言うんですね。名刹のご本尊にあるような凛としてご立派なものではなく、そこに住む村人が、日常の中で祈りをささげるための、”すなおでやさしい造形”。じんわりじんわり、心に染みてきました。
東京ステーションギャラリーという、現代における「みちのく」の玄関口である東京駅という絶好のロケーション。何より、レンガのバックに佇む、仏さまたちが
「こんただとこ来て、ちょっと恥ずかしいだべ」(←でたらめ東北弁で本当にすみません)
みたいな雰囲気もとても素敵。そんな、適当に勝手なこと言ってても
「てえしたこたねだのさ(大したことはないんだよ)」
と笑って包み込んでくれそう。
今年、この展覧会から「初詣」させてもらって、本当に良かったです。
*冒頭の写真は、昨年の夏に訪問した十和田奥入瀬渓流