仕事で意識しているコミュニケーション能力について
自分はPMとして働いているのですが、コミュニケーション能力が大事だと痛感する機会が多いです。 また、そのコミュニケーション能力が一体なんなのか、他人に説明するのも難しいと感じます。
今回は、その抽象的なコミュニケーション能力について、自分なりの定義と意識しているポイントについて説明致します。
学生と仕事上でのコミュニケーション能力の違い
学生の時からコミュニケーション能力は高い方がいいと言われてきたと思います。 おそらく友達同士の会話でも、「あいつはコミュ力が高いからさ〜」みたいな会話があったでしょう。(筆者はあった) しかし、明確に学生のコミュ力と仕事上でのコミュニケーション能力は違います。
学生の時はコミュニケーションを通じて、仲良くなれるか、親睦を深められるかどうかが大事です。 見ず知らずの人に話しかけることができて、ユーモアを交えて「この人と楽しい、面白い時間を過ごせそう」と相手に感じてもらえるコミュニケーションができることがコミュニケーション能力がある人とみなされるでしょう。 いわゆる陽キャと言われるパーソナリティを持っている人です。
一方仕事では、信頼と納得感を得られることが大切であり、見ず知らずの人に話しかけることは必ずしも必要ではありません。 コミュニケーションを通して、自分に対して信頼を、主張に対して納得感を感じてもらえるコミュニケーションが求められます。 したがって、面白いと感じてもらっても、信頼や納得感が欠けていたら意味がないと言えます。
チームとして信頼と納得感を得られるコミュニケーションが、仕事において大事であり、これを踏まえて普段意識すべきことを記述します。
コミュニケーションで意識すること
まず前提として、コミュニケーションで意識するべきことは、人や属している組織によって異なるし、正解はありません。 しかし、根幹となるものを言語化することで、応用が効くと考えてます。なので、以下のポイントを意識して、ご自身の状況に応用して下さい。
信頼している姿勢を行動で示す
まずはじめに自分から相手を100%信頼しましょう。関係性が築き上げれてない状態で信頼するのは難しいかもしれないです。 しかし、giveの精神が良い関係性にとって最重要です。信頼してほしいと思うのであれば、自分から信頼しよう。
ここで注意したいのは、「信頼している」と口だけにならないことです。行動で示しましょう。 例えば、目的と背景を伝えて具体的な手段の発想を求めたり、実際のタスクの実行自体を任せたりすることだ。タスクの実行や的確な意見を言ってくれるという信頼がないと、Howの部分をこちらから明示して押し付けがちです。 「このやり方でやってください」「この意見でいきます」こういった言葉は相手の意見をシャットアウトするもので、相手の能力に委ねた議論は期待できないでしょう。 もちろん、状況に応じて具体的なHowの部分を提案する必要はあるが、必要性がないのにも関わらず、全部押し付けてしまう時があるかもしれません。これは知らず知らず相手の当事者意識を削いでしまう可能性があります。
相手が自分の言いなりに動くようなコミュニケーションは長期的な信頼と納得につながりません。相手の意見をしっかりと聞いて、お互いでコミュニケーションを創造することをお勧め致します。
自分が持っている情報とチームメイトが持っている情報の差分を限りなく0にする
知らないところで話が進んでいて、自分に関係する意思決定されることをよく思わない人は多いでしょう。 決定的な情報だと、タスクにも影響が出るかもしれません。
そのため、プロジェクトの情報でクリティカルなものは逐次共有、ほぼ全てのチャットにCCを付与、悩んでいることや計画を逐次ドキュメント化して、「知ろうと思えば全てを知れる」状態にします。 これにより、各メンバーがプロジェクト全体を見渡して個人のタスクを見つめることができます。「今なぜこのタスクをやっているかの納得感」と「説明するコストを削減し、言いたいことをスリムに言えるようにすること」を目的としています。
また、筆者は本格的な議論の際、その時に初めて出す情報や参加者の中に知らない人がいる情報の扱いは注意しています。テキトーに伝えると、当人の疎外感を生む可能性があり、チームとしての連携力を低下させてしまうかもしれません。 なるべく、今まで伝えてなかった意図やクローズドで議論されていた背景を共有するようにしています。
ドキュメントなどの非同期コミュニケーションでも注意が必要です。論理的にわかりやすく記載することはもちろん、最新の情報に更新されていることも重要でしょう。例えば、最新のイベントを反映させたバックログはこれから取り組む開発者を安心させます。また、進捗や状況が記載された報告書は上司を安心させます。
情報や意見、それに基づいたドキュメントのボールを常にチーム全体が持っている状態が理想です。自分含め当人にボールが停滞していると、認識のズレや不安感を生む原因になりかねません。
相手の処理のステップに沿った情報の出し方、言葉の選び方をする
コミュニケーションで情報を発するということは、当然、情報を受け取る側も存在するということです。 したがって、何かを伝えたい際は、受け取る側を想定したコミュニケーションが求められます。
筆者は、特に議論で扱っている範囲と情報の順番を意識する必要があると考えてます。
ミーティングなどの同期コミュニケーションの場合、枕詞の付与と相手が漏斗のように情報を処理することを意識してして、「〜について」「〜の観点でいうと」「〜の話ですが」という枕詞をつけて、今何を話しているのかを冒頭に宣言します。これにより、論点のズレを回避することを心がけてます。 そして、1文で漏斗のように範囲を徐々に絞るようにして言いたいことを伝えます。 例えば、「Aというプロジェクトについてですが、材料に関してBが予算オーバーするということがわかりました。」と言った感じです。「Aというプロジェクト」→「材料に関して」→「Bが予算オーバー」といったように、上位概念を先に出してから詳細を出すといった流れです。 先に詳細から出すと、もしかしたら人によっては、Aというプロジェクトの話かわからないでしょう。相手の情報処理の方法をベースとしたコミュニケーションが大事です。
一方、チャットなどの非同期コミュニケーションでは、非同期で見られることを意識しましょう。 チャットツールだとメンションすると、通知が飛ぶものが多いです。そうすると、まず通知のプレビューがやりとりのファーストコンタクトであり、その後普段使っているチャットツールの通知チェック欄で詳細を確認するでしょう。 受け取った側は連絡に対して、すぐに返すべきか、そうでないかを考える必要があると思います。そのため、通知のプレビューに収まる部分で先に要約を書いておくと、連絡に対するアクションを通知段階で決定させることができるでしょう。 これは、コミュニケーションコストを削減して、認識の相違を減らす工夫です。非同期である以上、コミュニケーションの受け取るシーンを細かく想定し、言いたいことや要約を先に書いておくことで、風化しないチャットやドキュメントを作成できると思います。(結論ファーストは大事だが、背景を理解して使うことが大切だと考えてます。どんなコミュニケーションも万能ではないから。。)
間違った情報、そして、理解に時間がかかるコミュニケーションはなるべく避けて仕事しましょう。
意見の差を観点の差と捉える
議論をしていると意見や提案の相違があります。この時に「あの意見が良い」「この意見はダメ」というように、良い悪いで判断しがちですが、これを観点の差と捉えるべきです。
仕事上絶対にどんな状況でも良いことなど存在しないし、逆も然りでどんな状況でも絶対にダメということはそうそうないでしょう。あくまで、良い悪いということは与えられた状況や文脈に決定される主観的なものです。 したがって、良いというのは「特定の見方や観点において良い」ということであり、悪いというのは「特定の見方や観点において悪い」ということです。大事なのは、背景となるモノの見方を洞察して、そこを批判的に捉えることだと思います。大元に対して意見をすることで、本質的な議論を生むことができ、議論がズレにくくなるでしょう。
上記を踏まえると、議論の結論は特定の観点を優遇するということになるかもしれないです。 全体の納得感を大事にするためには、なぜその結論になるのか合理的な理由をしっかり言語化し、全体に正しく周知しましょう。
相手の時間を奪っている意識を持つこと
ミーティングだったり、チャットにせよ、コミュニケーションにおいて相手の可処分時間を奪っている意識を持つ方が良いです。 相手も人間なので、忙しい中何を言いたいのかわからない連絡が来るといい気分ではないと思います。
結論を先に書いたり、いつまでに返信して欲しいのか期日を書いたり、ミーティング前にサマリーを共有したり、工夫1つで相手が使用する時間を最小にすることができます。 文字だけでなく、画像や図を使うのもいいかもしれないです。
まとめ
今回、チームメンバーから、コミュニケーションで気をつけていることがあるかと聞かれたことがきっかけでこの記事を書いてみました!
自分もまだまだですが、明日から実践できる内容だと思うので、皆さんも試してみてほしいです。
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