化粧ポーチ
カメオ手帳が#4まで投稿できたので小話を挟んで#5に移ります。
今日は小話を投稿したいと思います!
第33投稿、化粧ポーチ。ではどうぞ。
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最近、私は人生で初めて化粧ポーチを買った。サクランボの柄でいかにも女子ってやつをフランフランで買ってきた。今は高校三年生でバトミントンのキャプテンをしているから女子の事にはなんか距離を感じていた気がしていた。
高校に入った時、初めてできた友達、エリカちゃんがトイレ行こって誘ってきた。トイレくらいひとりで行けばいいのに、私は全然トイレ行かなくてもいいのにって思っていた。トイレについて小学生以来、一回も言ってなかった「私、トイレ行かないから待ってるね。」と言いかけた時初めて見る光景にびっくりした。15人くらいの女子たちが鏡の前に群がっていた。洗面台の上には大量の化粧ポーチがおいてあってどれも可愛かったけどおそろだねって言い合ってる女子たちもいるわけでこの大量の化粧ポーチの中から自分のものを取るのはとても大変な気がした。ふと横を見るとエリカちゃんはどうやらトイレをしたかったわけでは無くて化粧ポーチから何やらいろんなものを取り出して身だしなみに気を付けているみたいだった。
ああああ!女子ってこえーーーーーーーーーーー!
三年になった今、さすがに持ってないとやばいらしく渋々フランフランに行ってきた。ポーチと一緒に手鏡と口紅、くしにヘアゴムいろんなものを買ってみたけどどれを選んでいいのか分からずみんなにとってみたらとてもダサいのを買ってしまったかもしんない。おかげで今月のバイト代もなくなってしまった。
とりあえず使ってみようと思って駅のトイレで口紅を塗ってみた。なんかぬめぬめしていて気持ち悪かったし、このご時世不織布マスクに赤いのがついて汚くなってしまった。その時、外から声が聞こえた。小学生たちが笑いながら遊んでいた。やっぱり私にはこれだ!そう思った。私はトイレのごみ箱に化粧ポーチを投げ入れて川沿いの道を一目散の駆け抜けた。
おかげで今月のバイト代は全部ゴミ箱に入ってしまったけど同時に小さなころのワクワクが戻ってきたような気がする。
もしかしたら私が本当に買ったのは化粧ポーチじゃなくてワクワクだったのかもしれない。
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