運送の仕事

こんにちは!「塾の裏口」はどうだったでしょうか?
皆さんの周りにはもう何年も使われていないドアがありますか?
さびさびで開けるのが大変なドア、雑草がぼうぼう生えてるドア、
チカたちに続き、また三人が中に入ってしまったようです。
皆さんも気をつけてくださいね。何年も使われていないドアの中はどうなってるか見当がつきませんもの。

では、次のお話し…「運送の仕事』です、どうぞ。

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今年で30才になった天口天狼は複数の仕事仲間と共に大型トラックに乗り込んだ。それぞれエナジードリンクや眠気覚ましのコーヒーを大量に入れたビニール袋を下げている。

そう、天口たちの仕事はトラックでの運送である。

逆目に運転を交代してもらった天口はエナジードリンクを1缶のんだあと座席シートを倒して寝てしまった。

「おーい、天ちゃん。ついたぞ、北海市場。」

「あ、ああ、すまんすまん。寝ちまった」

「今、ヨッシーと亀ちゃんが先に運んでくれてらぁ。俺らもいくっべ」

そう言い残し、逆目はトラックから降りた。天口はエナジードリンクの空き缶をゴミ箱に放り投げた。

北海市場で預かったかにを入れたクーラーボックスを持ち天口たちがトラックに再び乗り込む。

「亀ちゃん、へい、これ保管庫入れて」

保管庫に一番近い、亀川が前から渡されてきたクーラーボックスを保管庫に入れ始める。

「おーい、よく考えたら、俺らの食料どこ言ったっべ?」

「あ、そういえばなぁ〜」

「さっき最後にトラックから降りたのだれっべ?」

「おう、それは天ちゃんだい。」

「天ちゃん、しらんかい?トラックに鍵したのも天ちゃんだろう?」

天口は、必死に思い出そうとするが、あの時、逆目に起こされて、トラックの鍵を閉めておろし市場まで歩いたことしか記憶になかった。

「ここで何か買うのにも何かと金がかかるぞ」

「そうだべな。俺なんて、飲み物代で使い切っちまった」

「天ちゃん、お前あまり飲み物買ってなかっただろう。後から必要になって焦って、盗んだってことはないだろうな?」

嘉三が険しい顔をしていう。

「ヨッシー、あまちゃんが盗んだなんて馬鹿なことあるかい?」

「いや念のためだ。」

「でも天ちゃんしか盗みを働けるものはいないっべ?逆目。」

反抗した逆目に亀川が顎に手を当てて言う。

「ひとまず、トラックの中を探してみようぜ。天ちゃんは予定に遅れっちまうから運転しててくんねぇかな?」

「分かったさ、でも俺が盗んだなんてことはないっべ!」

「分かっとる、俺はお前を信じとる。味方だべ」

逆目が天口に頬みかけた。
10分ほどしても見つからず、1回道のはじに止めて後ろの保管庫を探すことになった。相変わらず、天口には探させてもらえなかった。

「もうこうなったらぁ!」

天口は叫んだ。手と足が勝手に動いた。
外に出ていた三人を置き去りに、トラックを急発進させた。


スマホもトラックの中。

人気がない道。

食料もない。

外は吹雪が舞う、マイナス3度。

……

「その後三人とは会ってないっべ」

天口は、笑顔でそう話した。

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