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塾の裏口

こんにちわ!ここからは短編小説連続投稿をしたいと思います。
では、どうぞっ(✿✪‿✪。)

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「はあ~」

中3の小林チカは勉強すくすくゼミナールの中三の教室で溜息をついた。

「もしかして明日のテスト?」

親友の神前ユカコがカバンにテキストを詰めながらいう。

「うん、明日のはさ、内申に関わるからね。もおー、塾の小テストだとキンチョーしないのにい~」

「でもさ、うちらってバカじゃん。この塾に通ってる人もみんなそー。だって‘‘勉強すくすくゼミナール‘‘なんて赤ちゃんが「あいうえお」って書いてるような所の名前にしか聞こえないもん」

「そうだよね。学校の授業にドーニカついていけるようにする勉強しかやってないし。」

「うん、フツーの塾は学校の問題を使った応用問題をやってんだって。そーゆーのしか、高校入試に出ないらしいから」

「う、、ムリー」

2人で苦い顔を浮かべながら帰りの支度をすると前田先生が教室に入ってきた。

「こら、二人とも早く帰りなさいっ!電気がついてると思ったらあなたたちがいたのね」

「もー、センセ!少しくらいはいいじゃん!明日の学校のテストの話してたんだしい~。そんな厳しいこと言うならスタディンスとか行けばいいじゃん!あそこは平均偏差が68だってさ」

「もー!ちょっと職員室来なさいっ!明日の学校のテスト対策するわよ!そしたら文句ないでしょ!」

口をとんがらせるユカコと教室をでる。

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「結局、遅くなったね( ノД`)でも明日のテスト少しは点取れそうな気がする!」

チカはめんどくさそーな顔をするユカコと駅に向かう。

「今日はバーミヤンでいっか!」

チカたちは駅前のバーミヤンで夕飯を食べようと決めた。
もう、何か月も家族で食事をしていない。お母さんが毎日夕飯を作ってくれてたけど、チカは何にも言わずに外食ばっかして、次第にお母さんも作ってくれなくなった。当然といえばそーだけど、たまにお母さんの味が恋しくなる。

「やっぱ今日は家に帰って食べない?」

「え~!ウチはさあ~、家がみんなお医者さんで頭は良くてあたしだけバカだから家族から疎ましく思われてると思うから夕飯なんて一緒に食べたくないよ。おまけにスタディンスに通う出来の良い妹もいるし。」

「でもさ、たまには、、、」

「あ~~~!分かったから。じゃあ、私もチカん家行ってもいい?」

「え~、いいけど」

チカたちは再び来た道を戻る。いつもは駅まで行って、地下トンネルを使って帰るから、塾の裏から帰る道は久しぶりだ。

「え、塾の裏口って初めて見る気がする~」

「え~、でもさ、中一の頃は通ってたんだよね」

塾の裏口はあまり使われていなく、雑草がぼうぼうに生えている。でもその分無防備でもあった。

「ねぇ、ちょっと入ってみようよ。チカのお母さんに少し遅れるって連絡しといてよぉ~」

チカは、少し怖くなった。
もう外も暗いし、外灯の明かりもお店の明かりもない。でも、ユカコは既に裏口の方に向かって行く。

「ちょっと待ってぇ~」

チマも慌ててついていく。

怖くなれば引き返せばいいんだから、、、、

そう思ったのだ。中に入ると、長い廊下が続いていた。チカたちで丁度ぴったりくらいの高さで、大人は中腰じゃなきゃ入れないくらい。

「ねぇ、もう引き返さない?つかれたんだけどぉ~」

ユカコは一回決めると、辞めないところがあるから、そんなこと言って引き返さないことはわかっていたけれど、もう10分は歩いてる気がする、、それにどんなに歩いても暗闇が続いて塾に一向に入れない。

「でも、こうなったら塾の中まで入ってやるから!」

チカは後ろを振り向く。今まで歩いてきた廊下も暗闇に消えている。もはや引き返すにしても、大変、、

汗が出てきて、焦っている自分がわかる。

一時間歩くともう前もうしろもわからなくなった。ユカコも倒れこんでいる。

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女子学生ら行方不明事件から10年>>>>


「ねぇ、ミユの好きな人って浩介でしょ」

「べ、べつに違うし」

「絶対そーだ!まずメイクするよ!」

「リカとかサトミみたいにメイクなんてしてないしやったことないよぉ~」

「大丈夫!元がかわいい子は、メイクしてもかわいいのっ!」

中一の女子たちが、勉強すくすくゼミナールの門から出てくる。

「あっ!ゼミにテキスト忘れちゃったっ!!」

「ねぇ、あの裏口から塾に入ってみたくない?」

「いいねぇー」

「誰が最初に裏口から中に入れるか、競争しようよ」

「先生にバレないように教室に戻るんだからねー!」

そうはなしながら裏口のドアを開く。

「じゃあ、よーい スタートっ!」

三人が一気に走り出す。

ガチャーーン!

……

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