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moon2_44
初恋と同窓会
同窓会を抜け出した。
小さい頃はみんなもっと素直だった、純粋だった。またみんなで集まったからって小学生に戻るわけじゃない。それはしょうがないことなのにね。私はバカだなぁ、と思うけどみんな息苦しさを感じないのって疑問に思う。
少ししたところに橋が架かってて夜景が一望できた。「はぁ、」とため息が漏れる。足音が聞こえてふと横を見ると初恋の相手がやってきた。10年経ってもやっぱり私にとって一番カッコよくて。
「何やってんの?こんなとこで」
「別に、お酒好きじゃないから」
「じゃあ、俺もここにいるわ。なんていうか、息苦しいからさ」
「なにそれ(笑)別にいていいから」
「変わんないね、その口癖。俺なんて全部変わっちまったよ。サッカー選手にもなってないし、今じゃどこにでもスーツで行くよ。」
「変わるのも悪くないわよね、」
「うん、少し寂しいけどな。」
「そうだよね。みんな少し変わったんだよね。」
「少し、寂しいけどな」
「私、レストラン戻るわ。昔もそうやって励ましてくれたよね。」
「変わんないところだってあるんだよ。」
その言葉に返事はしなかったけど、そう言ってくれたことが嬉しくて、こころの中でにやけてしまった。
「私の変わってないとこは、好きな人だな!」
振り向いて思わず言ってしまうと、橋にもたれかかった彼が少し笑っていった。
「俺もそうかもな、」と。