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ストレングス・ファインダー「回復志向」を本当の強みに──次々と成果を上げる“解決脳”の鍛え方
ビジネスの現場では、問題やトラブルがまったく起きないことのほうが少ないかもしれません。大切なのは、そんなアクシデントに遭遇したときに素早く立て直し、より良い状態へと導けるかどうかです。そして、そこに焦点を当てるのが自分の「強み」。ストレングス・ファインダーというツールは、私たちが本来もっている強みの原石を見つけ出し、それをどのように磨いていくかを教えてくれます。
この記事ではストレングス・ファインダーの資質「回復志向」をさらに発揮するための考え方や具体的な行動に加え、あなた独自の強みを深く理解するためのヒントをご紹介します。自分に潜む資質を今こそ磨いて、ビジネスの現場で存分に活かしていきませんか?
【1】「回復志向」とは何か?
問題解決への情熱と探究心
ストレングス・ファインダーの資質「回復志向」は、問題点や不具合にいち早く気づき、それを改善するプロセスに強い興味とエネルギーを注げることが特徴です。ビジネスパーソンにとって、問題点を放置せず迅速かつ的確に対処する能力は大きな価値を生み出します。たとえば企画やプロジェクトが混乱しているとき、「回復志向」をもつ人は問題が起きている根本原因を突き止め、「こうすれば解決できるのでは?」とアイデアを考え出すことを楽しむ傾向があります。
周りからは「トラブルシューティングの達人」と見られることも
「回復志向」の人は周囲から、「困ったときに頼れる人」という印象をもたれやすいかもしれません。バグを見つけて修正するエンジニア、顧客クレーム対応のリーダー、プロジェクトが炎上しそうなときの“火消し役”など、あらゆる現場で頼りにされます。問題解決プロセスに楽しさを感じ、試行錯誤そのものにやりがいを覚えるため、苦境に立たされれば立たされるほど能力を発揮できる人も少なくありません。
改善に没頭するあまり、周囲との折り合いが難しくなることも
「回復志向」のエネルギーは非常に強く、問題点をどんどん深堀りしていく探究心があります。ただし、それが周りのペースや気持ちに配慮しないまま走り出してしまうと、「そこまでしなくてもいいのでは?」と距離を置かれる場面も出てくるかもしれません。また、新しいアイデアを考えるのが好きな「戦略性」「着想」といった資質とは異なり、目の前の不具合をひたすら掘り下げる姿勢が「ネガティブだ」と誤解されることもあります。
したがって、「回復志向」を最大限に活かすためには、周囲とのコミュニケーションや連携スタイルを上手に調整しながら問題解決に取り組む姿勢が重要となるのです。
【2】「回復志向」を本当の強みに進化させるための行動・思考法
1. 問題の“核心”をつかむためのプロセスを定型化する
「回復志向」の方は、問題に気づくのが早いだけでなく、その原因をたどり改善策を導き出すまでの道筋を追うのが得意です。しかし、強みに進化させるには再現性が必要。自分なりの“問題解決プロセス”を体系化しておくと、チームにノウハウを共有でき、リーダーシップを発揮できるようになります。
たとえば「情報をリサーチ → 根本原因を特定 → 関連者とすり合わせ → 改善策を実行 → 結果を検証」のように、ある程度の共通手順を定めるだけでも、周囲からの信頼は格段に高まるでしょう。
2. 強みの真逆にある弱みに注目しすぎない
「回復志向」は、上手くいかない部分に自然と目が向かうため、視線がどうしても“ネガティブな側面”に集中しがちです。ビジネスの現場では、問題点の改善は大切ですが、組織の強みや長所を活かすことも同じくらい重要。自分の資質が「欠点に注目しすぎる傾向」になりすぎていないか、定期的に自己チェックをしてみましょう。
意識的に「今、うまくいっていることは何か?」「その成功要因を伸ばせないか?」という視点を加えることで、バランスの取れた思考回路を手に入れることができます。
3. 周囲と協働する際は「期待値のすり合わせ」を欠かさない
問題解決のスピードはとても大事ですが、メンバーそれぞれが抱える仕事量や優先順位は異なるのが現実です。自分が「これを最優先で直さなきゃ!」と思っていても、他の人にとっては「そこより先に片づけるべき別の案件がある」という場合もあるでしょう。
そこで大切なのが「なぜ今、この問題に取り組むのか」「どんなメリットがあり、どんな影響があるのか」を周囲と話し合い、合意を得ること。問題解決へのプロセスを可視化し、チームの期待値をそろえることで、無用な衝突を防ぎ、最終的にはより大きな成果につなげることができます。
4. 改善と共に“次なる成長”を描く
「回復志向」の人は、問題点を改善すること自体に喜びを感じるもの。しかし、ビジネスにおいては“問題解決の先”を見据えた提案がより重宝されます。
「修正して正常化する」だけで終わらず、「次はこうすれば、さらに新しい価値を生み出せるのでは?」と、プラスαの発想を盛り込んでみましょう。単にマイナスをゼロに戻すだけでなく、ゼロをプラスに転換するような提案ができれば、周囲からの期待も高まり、あなたの存在感は一段と輝くはずです。
【3】もっと深く自分の強みを理解するために
ストレングス・ファインダーの34の資質は、あくまで自分の強みを理解するための入り口です。「回復志向」だけでなく、「学習欲」「戦略性」「共感性」「自己確信」など、多種多様な資質が組み合わさって、はじめてあなた独自の才能のかたちが見えてきます。
たとえば「回復志向」と「共感性」が高い人であれば、他者の気持ちに寄り添いながら問題を解決できる頼れるリーダーになるかもしれません。一方で「回復志向」と「競争性」が組み合わさった場合は、失敗やエラーを素早く修正しながら高い目標に向かって突き進める、“攻め”の強さが生きてくるでしょう。
このように、同じ「回復志向」を持っていても、組み合わせる資質によって行動や思考の方向性は大きく変わります。つまり「回復志向をもっている自分は何者なのか?」をしっかり深掘りすることで、あなたが発揮できる強みの“本質”に迫ることができるのです。
こうしたポイントを押さえるためには、客観的な視点で資質を読み解いてくれる存在が欠かせません。たとえばGallup認定ストレングスコーチは、ストレングス・ファインダーの理論に精通し、豊富なセッション経験を通じて、個々人の強みを最大限引き出すプロフェッショナルです。「自分は本来、どこで力を発揮できるのか?」「なぜこの行動パターンが続いてしまうのか?」といった疑問を一緒に解きほぐしながら、あなた自身もまだ知らない強みを見つけることができます。
もし「もっと自分の強みにフォーカスしてビジネス成果を伸ばしたい」「自分の回復志向をどう使ったらいいか、今ひとつわからない」と感じているなら、ぜひプロのストレングスコーチングを検討してみてください。質問や対話を通じて深堀りを行い、あなた特有の資質の組み合わせがもつ可能性を一緒に探っていきます。