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ストレングス・ファインダー「共感性」を本当の強みにーー“人の気持ち”をビジネス成果に活かす方法


私たちのビジネスシーンや日常生活には、自分自身が本来持っている「強み」を大いに活かす場面が無数に存在します。ところが、多くの人は苦手な部分や欠点を補うことに注力し、なかなか自分の得意なところを活かしきれないまま過ごしているのではないでしょうか。

ストレングス・ファインダー(クリフトンストレングスとも呼ばれます)は、そんな「強みを最大化する」ことに焦点を当てたツールです。自分の強みに気づき、それをさらに磨いていくことで、仕事でもプライベートでも“自分らしくパフォーマンスを高める”ことを目指せるようになります。

今回は、その中でも「共感性」という資質にスポットを当てます。人の気持ちを敏感に察知し、相手の立場に立って考えることができる「共感性」は、一見「優しさ」「受け身」といったイメージを抱かれがちです。しかし実は、ビジネスを大きく前進させるポテンシャルを秘めた資質でもあります。

この記事を読むことで、「共感性」を本当の強みにするとはどういうことか、そのために具体的にどんな行動を起こせばよいのかがわかるはずです。


共感性という資質の特徴

ストレングス・ファインダーの34の資質のなかで「共感性」は、他者の感情を汲み取る力に優れた才能を指します。人間関係構築力を司る領域に属し、相手の言葉や表情、雰囲気から感情の変化を敏感にキャッチすることができます。

共感性を持つ人の特徴

  • 相手の言葉にならない想いを察知できる
    たとえば、会議中の同僚が「何か言いたげだけど言えていない」「納得していないのでは」と感じたり、普段とは違う元気のなさにすぐに気づいたり。言葉にならない感情の変化を見逃しません。

  • 相手の気持ちを味わうように理解する
    「共感性」には深い“共感”の力があります。単に相手の意見に寄り添うだけでなく、その背景にある感情や動機を、その人の立場に自分を置き換えながら理解する姿勢を持っています。

  • チームに安心感をもたらす
    「共感性」が高い人が側にいると、チームは「受け止められている」という安心感を得やすくなります。自分の感情や思いが尊重されるため、信頼関係が自然に築かれます。

ビジネスシーンでの“強み”になる理由

一見、優しさや受動的なイメージに見られる「共感性」ですが、ビジネスの場面で大きな武器になります。たとえば、リーダーとしてチームを率いるときにはメンバーの状況や気持ちを察して最適な指示を出せたり、取引先との交渉時には相手の意図や不安を察しながら建設的な提案を行えたりするのです。

  • 信頼関係の構築が早い
    共感性が高い人は相手の話を「聞く力」が優れており、本気で理解しようと努めます。それは言葉だけでなく表情やトーン、雰囲気に表れ、結果として人間関係の構築がスムーズになりやすいのです。

  • 細部のサインを見逃さない
    エンゲージメントやモチベーションを左右する要因を、事前に察知できる可能性が高まります。問題が大きくなる前に対応策を練れたり、チームのメンタル面をサポートしたりと、“心のマネジメント”において大いに力を発揮します。


「共感性」を本当の強みに進化させるために必要な行動

「共感性」が上位資質としてある人は、自分のその才能を日常の行動で活かすことで、より大きな成果へとつなげられます。一方で、配慮しすぎて自分の意見を出せない、相手に流されやすい、といった“弱点”も表れやすいという面があります。ここでは、「共感性」を本来の強みとして発揮するためのヒントを紹介します。

“感情を受け取る”と“自分の視点を持つ”の両立

共感性が高い人は、他者の感情を深く感じ取れる一方で、自分の気持ちや意見を見失うことがあるかもしれません。すると、相手の感情に巻き込まれやすくなり、冷静な判断を下せなくなることがあるのです。

  • 対策
    「自分はどう感じているか」「何をすべきか」を明確にしつつ、相手の感情を受け止める練習をしましょう。相手の感情を受け止めた後、自分自身の判断基準をいったん言葉にしてみると、バランスを保ちやすくなります。

共感性を活かしたコミュニケーション戦略

ビジネスでは、ただ相手に寄り添うだけでなく、成果へつながるコミュニケーションが必要です。

  • 感情を言語化する
    「今、○○さんはこう感じているように見えますが、合っていますか?」というように、相手が心の中で抱いている感情を代弁してあげると、より深い安心感や「分かってもらえた」という気持ちを生み出しやすくなります。

  • ときには建設的なフィードバックを
    共感性が高いあまり、厳しい意見を言えなくなる場合があります。しかし、相手の成長や仕事の成果のために必要な指摘は大切です。共感を示しつつも、事実や具体的な改善策を相手と一緒に検討していく姿勢を心がけましょう。

環境の設定と役割分担

共感性が高い人は、人間関係がきめ細やかに見える分、刺激が多すぎる環境では疲れやすい傾向もあります。

  • 自分の“リチャージ方法”を知る
    感情に敏感になると、相手の悲しみや不満も強く受け取ってしまうかもしれません。適切にリフレッシュする習慣や、自分が心からリラックスできる場所・方法を見つけておくことが重要です。

  • チームメンバーとの補完関係を築く
    たとえば、共感性が高いあなたが「人の気持ちを汲み取る」役割を担いつつ、事務的な処理やデータ分析が得意なメンバーと組むなど、お互いの強みを生かしあう体制を作れると、成果が格段に上がります。


もっと深く自分の強みを理解するために

ストレングス・ファインダーの34の資質は、自分の強みを理解するための「入り口」にすぎません。共感性が高い人でも、その“強みの質”は一人ひとり異なります。組み合わせが違えば、発揮される結果も異なるのです。

同じ「共感性」を上位に持っていたとしても、他の上位資質に「指令性」「自我」といった影響力の資質が高ければ、共感した上で強く率いるリーダータイプになるかもしれません。逆に、「調和性」「包含」が高ければ、場をまとめたり、多様な人たちを受け入れる力が増す可能性もあります。

ストレングス・ファインダーを受けた後、「上位資質の説明を読んでみたけど、いまいちピンとこない」「自分の強みがどう活かせるかわからない」と感じる方は少なくありません。なぜなら、資質の定義や一般的な説明は、あくまで“参考のフレームワーク”だからです。

Gallup認定ストレングスコーチは、あなたの資質の組み合わせを読み解きながら、「どういうときに力が発揮されるのか」「どんな行動や思考パターンを強みに結びつけるのか」を一緒に探究します。あなただけの具体的なエピソードや仕事上の課題を紐解くことで、一般論では得られない深い理解が得られます。

もし「もっと自分の強みを深く理解したい」「自分の資質を最大限に生かしてキャリアや人生を充実させたい」と思われたなら、ぜひGallup認定ストレングスコーチによるコーチングを検討してみてください。

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