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ストレングス・ファインダー「指令性」を本当の強みに──“決断力”と“存在感”で勝ち抜くビジネス術


人にはそれぞれ異なる資質(才能の原石)があり、それをどう磨くかによって成果も人生の充実度も大きく変わってきます。自分の強みに改めて光を当て、その可能性を最大限に引き出すための有効なツールが、ストレングス・ファインダーです。

今回は、その34の資質の中から「指令性」 に焦点を当て、その特徴を活かして周囲を牽引するためのヒントや行動指針を深く掘り下げてみたいと思います。さらに、ストレングスファインダーをきっかけに自分の強みを理解し、真のリーダーシップへとつなげるための方法をご提案します。


【1】「指令性」とは:恐れを知らない率直さと存在感

ストレングス・ファインダーの34の資質のひとつである「指令性」は、まさにリーダーシップや意思決定力を象徴するような資質と言えるかもしれません。

  • 率直さとリスクを恐れない姿勢
    「指令性」を持つ人は率直にものを言う勇気があり、リスクを恐れず行動を起こそうとするエネルギーがあります。ときには他人から厳しい意見だと思われることもあるかもしれませんが、その本質は「問題点を見極め、物事を前に進める」力といえるでしょう。

  • 存在感の強さと周囲を牽引する力
    どんな状況でも怯まずに自分の考えを述べ、責任をとろうとする姿勢は、周囲の人から見ても「頼りがいがある」「ついていきたい」という印象を与えます。目の前にある不確実性を恐れず、意思決定を促す力。それが「指令性」の大きな特徴といえます。

  • 対立を避けずに解決策を生み出す
    率直に意見をぶつけ合うことで課題を炙り出し、問題解決を加速させる役割を担うのも「指令性」の資質の強みです。対立を避けずに真っ向から受け止めることで、潜在的なトラブルをいち早く発見しやすくなります。

こうした性質は、組織のリーダーシップ層やプロジェクトを推進するポジションで特に求められる力となるでしょう。しかし同時に、「指令性」が強く表出すると、周囲に対して攻撃的・強引に見えてしまうリスクも抱えています。この“強み”をどのようにコントロールし、育んでいくかがポイント となるわけです。


【2】「指令性」を本当の強みに進化させるためのアクションと思考法

「指令性」を自分や組織の成功に役立てるためには、どんな行動や思考法を意識するとよいのか。ここでは、具体的なヒントをいくつかご紹介します。

1. 率直さを“伝え方”に変換してみる

「指令性」が高い人は、ストレートに意見を伝えること自体に抵抗がありません。しかし、受け取る側にとっては「言い方がきつい」「威圧的」と感じる場合があるかもしれません。そこでおすすめなのが、率直さを保ちながら言い方を工夫する“伝え方改革” です。

  • 「私の意見としてはこう思う。なぜなら〜」のように、理由や背景をまず共有する

  • 相手の立場や考えを尊重する一言を添えたうえで、自分の主張を率直に伝える

このように伝え方を少し調整するだけでも、自分の“真剣さ”や“誠実さ”が相手にしっかりと伝わり、衝突を生み出すどころか相手との信頼関係を深めやすくなります。

2. 強気な決断を“柔軟性”とセットにする

決断を下すスピードとその強さは、「指令性」が持つ大きな強みです。しかし、周囲を巻き込むには柔軟性も重要な要素となります。自分の意志を押し通すだけでなく、他の意見をどう汲み取り、調整しながらベストな判断を下すか――。それによって、より多くの人の合意や協力を得られ、結果として自分の決断力がさらに効果を発揮します。
具体的には、チームでの議論や意思決定の場において、あえて自分から「〇〇さんはどう思う?」と問いかける。賛否を問わず意見を求め、検討したうえで強くリードしていく。こうした“取りまとめ役”としての姿勢が、あなたの「指令性」をさらに活かす鍵になるでしょう。

3. “先頭に立つ覚悟”を言語化してみる

「指令性」には自然な形でリーダーシップを発揮する力がありますが、それを本当の強みにするためには、自分の中にある“覚悟”をしっかり言語化しておくことが大切です。
たとえば、「私はチームの結果に責任を持ちたい」「私が先頭に立つことで周囲を安心させ、最善のゴールに導きたい」など。自分の指令性のポジティブな側面を、明確な“使命感”や“ビジョン”と結びつけることで、独りよがりにならずに大きな説得力を獲得することができます。

4. 対立が生まれたときほど“相手を理解する”チャンスと捉える

「指令性」が強い人は、ときに周囲とぶつかることで関係がギクシャクすることもあるかもしれません。対立や衝突は避けたいものですが、実は意見をぶつけ合うことは相手の考えをより深く知るチャンス でもあります。
そこで、衝突が起きたときほど意識して「なぜ相手はそう感じたのか」「相手が恐れていることや譲れないことは何か」を掘り下げてみましょう。自分が強い姿勢を見せるだけでなく、相手の価値観を知ろうとする姿勢を見せることで、結果的にはより強固な関係を築きあげられます。


【3】もっと深く自分の強みを理解しよう

「指令性」を例に挙げてご紹介してきましたが、ストレングス・ファインダーの34の資質は、それぞれが組み合わさることで個々人独自の強みや行動パターンを生み出します。つまり、資質単体で捉えるだけでは不十分で、「あなたの中で、どの資質がどう組み合わさっているのか」 を深く理解することが必要です。

たとえば、「指令性」がトップ5に入っていても、他に「共感性」が強ければ、人の気持ちをくみ取りながら率直にリーダーシップを発揮 するタイプになるかもしれません。また、「競争性」が強いと、“誰よりも先頭を走りたい”という意欲が重なり、よりアグレッシブなスタイルになるかもしれません。

ストレングス・ファインダーはあくまでも「あなたの強みを理解するためのヒント」です。「あなたの強み」を最終的に発見し、効果的に使いこなしていくには、さらに深い自己探求が欠かせません
たとえ同じトップ5の構成を持つ人がいたとしても、育ってきた環境やこれまでの経験はまったく異なります。そこにこそ、あなただけの強みを開花させるヒントが隠れているのです。

より深く自分の資質を理解し、それをビジネスや人生に活かしていくには、Gallup認定ストレングスコーチによるサポートが効果的です。

ストレングスコーチングは、ストレングス・ファインダーを活用しながら、あなたの強みがどのような形で現れているのかを一緒に分析し、目指したい目標や課題に対してどのようにアプローチしていくのかを明確化していくプロセスです。コーチとの対話を通じて、自分では当たり前と思っていた行動パターンや感じ方に隠されている才能を再認識し、自信を高めながら具体的な行動指針を見つけていくことができます。

ストレングス・ファインダーの結果を受け取っても、どう活かせばいいか分からないまま放置してしまう人も少なくありません。しかし、実際にはトップ5のみならず、すべての資質があなたの中で微妙なバランスを保っている のです。
ストレングスコーチングでは、あなたが持つ資質の組み合わせがどのようにシナジーを生んでいるのか、あるいは衝突を生んでいるのかを丁寧に見つめていきます。そこから初めて、「自分の強みをどう伸ばすか」「どんな働き方やリーダーシップスタイルが合っているのか」という問いに対して明確な答えが得られるのです。

ストレングスコーチングを受けることで得られる最大のメリットは、自分の才能が“どこでどう輝くのか”を体感的に理解できること です。自分の強みを知るだけでなく、それを具体的な場面でどう使うのかがわかるようになると、仕事や人間関係での選択肢がぐんと広がります。
「指令性」を持ち味としてリーダーシップを取りたい人はもちろん、他の資質を中心に自分のキャリアを築きたい人にも、ストレングスコーチングは非常に有効なサポートとなるでしょう。

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