過去ログ⑤ ゴルフ・ 三つの円
皆さまこんばんわ!
ここまでは、
打つのでなく、クラブをスムーズに動かすことをとにかくイメージすること。
自分で身体を回転させないこと。
というところをメインにお話させて頂きました。
ボールの行方を決めるのはクラブそのものの動きであり、身体や腕ではない。
これは、反論不能な真理ではないかと思います。
ボールにコンタクトするのは、何と言ってもクラブだけなのですから。
今回は、クラブをスムーズに加速するように安定して動かすためにはどうすれば良いかをイメージして頂くために、
三つの円
というイメージをお話させて頂きたいと思います。
最初の画像を見てください。
直ぐに気がつくのは、
身体の回転半径や、腕の長さ分の回転半径と比較すると、クラブヘッドの回転半径、動く距離というのは極めて大きいということです。
これが、もしグラウンドを徒競走することに例えたら、外周のクラブヘッドは極めて不利な状況にある。
ということになります。
つまり、身体を速く回転させたりすればするほど、クラブヘッドはその運動量に対して強烈に遅れて来ることになります。これが、振り遅れと呼ばれるものです。
当然、クラブは走りません。
身体の回転もそうですし、クラブを持っている腕を速く振ってしまっても、そういった理由で振り遅れてしまい、スライスが多発したりします。
前回お話させて頂いたように、クラブの軌道も大幅にズレてめちゃくちゃな軌道を描いてしまいます。
しかし、ボールは地面に止まっていますので、
遅れて来たクラブを間に合わせるために、何処かで急激に、下から上に連動するべき自然な身体の動作に意識的に、又は無意識的にブレーキをかけ、クラブを追いつかせてターンさせる必要が出てきます。
しかし、野球のピッチングなどに例えると分かりやすいのですが、途中で連動にブレーキがかかるということは、パワーを生み出すためには非効率な動きなんです。
そこで、足りないパワーを絞り出すために、クラブを持っている腕を目標方向に横に速く振ってしまったり、ボールを強く叩こうとしたり、手先でフェースを返そうとしてしまいます。
これが、手打ちと呼ばれるものです。
ゴルフを始めたばかりの初心者は、9割以上の方はスライスすると言われています。これは、要はクラブが振れていない=振り遅れてヘッドの重心が右側にズレたヘッドのフェース面が開いて降りて来てしまっているということです。
さて、ここからなんです。
練習に行き始めたゴルファーは、まずどうなりたいでしょうか?
そう、上手くボールに当てたい、捕まえたい、真っ直ぐ、出来れば遠くに飛ばしたい。と思いますよね?
ところが、中々当たらない。
そこで、上手くボールにフェース面を開かないように手先で戻して来て強く当てようと無意識にし始めてしまうんです。
そうすると、人間の自然な下から上に伝わる連動というものがストップしてしまいます。
また、周りのアドバイスが入ったりします。曰く、
頭を動かさないように
ボールを最後まで良く見て
身体をしっかり回して、左肩がアゴの下まで来るように
右膝を動かさないように
下半身からリードするように
腕を返して etc
などなどキリがありません。
意識的な動作と、意識的な固定がミックスされて来るのですね。
こうして、徐々にタイミングを掴んで来ると、
しばらくするとたまに上手く当たるようになったりして来ます。
そうしますと、よし、この調子で沢山打てば身体が覚えてくるぞと…
しかし、ことはそう簡単ではありません。
ミスをしたら、原因を考えるようになります。
ナイスショットをしたら、それを続けようとします。
そして、欲やミスへの不安というものもありますから、どんどん器用な手先や腕で上手くボールを捉えようとするクセが、最初の最初から身についていってしまうということになります。
こうして、クラブを振るというイメージなど思いつくこともなく、自然な連動はどんどん無くなっていき、チェックポイントばかりを頭で考えるようになり、結果、2000分の1秒のインパクトのタイミングを合わせることばかりに練習の目的がなっていってしまうのです。
特に、遠くに飛ばそうとする方や、どうせやるなら早く上手くなりたいという気持ちが強い方に顕著に見られます。
さて、今一度三つの円の話に戻りますが、そのようなわけで、
いくら腕やクラブを頑張って速く振ったり回したりしても、クラブは遅れて来るばかりでスムーズには走らないということなんです。
この、三つの円というのは、要は凄く単純な物理なんです。真ん中の二つの円が速く動けば、外周円たるクラブヘッドは追いついて来ない。
では、どうすれば良いのか??
まずは、腕や身体の余計な動作を頑張って行なわないこと、意識しないこと。つまり、外縁のクラブヘッドをスムーズに動かし加速させるためにはどうすれば良いかを最初からイメージしなくてはなりません。
自然な下からの連動を行なうためには、とにかく想像以上に全身を脱力してグニャグニャにすることもイメージしなくてはなりませんが。。
ただ、力を抜けと言われても簡単には抜けません。
色々なゴルファー心理やスイング思考などから、無意識に力が入ってしまうことが殆どだからです。これは、大切な話なので、又別の記事で書きたいと思います。
とにかく、腕や身体は頑張ったり、意識して何かをしたりしないことです。大人しくさせておく必要があります。
そして、ここが難しいところなのですが、
練習では絶対に一打一打の結果に一喜一憂しないこと。
上手く当たらないから、上手くやろうとする、当てようとする。ミスしないようにする。飛ばないから、余計に腕や身体に努力させる。
このように、身体のどこかを意識して動かそうとしたり、又は逆に止めようとしたりすることをせず、
とにかく、全身の力を抜いてスムーズにクラブを動かすことをまずは意識することが結局は上達への近道となります。ここには、重力落下や慣性、遠心力などの物理現象も加わって来ますが、これは又別の記事にて。
ちなみに、下からの連動ということに関しましても最重要事項になりますので、またこれも別の記事で書きたいと思います。
ヒントは、効率的な下から上への連動というものは、必ず足裏の重心移動から始まるように人間は設計されている。というところになります。
三つの円。クラブをスムーズに走らせるために、是非意味を理解してイメージしてみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございます。