過去ログ④ ゴルフ・身体を回さないこと。
皆さまこんにちは!
前回は、とにかくクラブをスムーズに振ることを意識するべき。というお話をさせて頂きました。
主役はクラブヘッドであり、身体ではない。ということです。
もちろん、クラブにはエンジンは内臓されていませんので、身体は実際にはフルに使いますが、
自分で何かを意識して足し算して、自発的に動かすのでなく、
クラブをスムーズに振ることから逆算して、結果、身体が本能的に必要な動きをしてくれるように引き出していく。という意味合いになります。
実際、身体はかなり使います。私のゲスト様は良くレッスン中息が切れています。。
身体で主に使う力と言うのは、
❶腹筋やお腹周りの筋肉
❷地面を踏む力、重心移動
❸足裏から上に伝わる全身連動
などですが、これらを部分的に意識することは基本的にはですが…必要ありません。クラブをスムーズに振ることから逆算して、勝手に使われると考えてください。(ただ、経験者の方の場合はあえてそういったことを意識して頂くこともありますが)
さて、ここで今回のテーマですが、
身体は回さない、捻らない
というところです。
良く、ゴルフは軸を中心とした回転運動である。と言われます。軸を意識して、身体を回転させれば、でんでん太皷のように、腕やクラブは振られる、とか、
又は、下半身のどこかを止めたり踏ん張ったりして、身体を捻転、つまり捻ることでパワーが生まれるというのが一般常識です。肩をしっかり入れるとか、回すとか、そのようなことは誰でも聞いたことがあると思いますし、実際そうやってプレーしたり、練習しているプロゴルファーもいます。
しかし、これは実は非常に複雑な作り込み、意識するポイントの足し算をして、かなりの多くの練習量や柔軟性、トレーニングを必要とする考え方なんです。
あえて言い切ります。怪我のリスクが非常に高くなります。
まず、人間の身体は、下半身を止めて捻ったくらいではさほどのパワーが溜まるようには出来ていません。人間の身体は、ゴムではないんです。人間の身体は伸ばして縮む動きによって、パワーを発揮します。
例えば、腰は45度、肩は90度捻る、たがら右膝はバックスイングで動かさないとか、腿の内側でパワーを受け止めるというのは半ば常識のように言われていますが、
腰椎の可動域は5〜15度しかありません。
これを、45度捻るというのは。。。現実的に無理なんです。
実際は、股関節とか、胸椎だとか、肩甲骨可動域というものもありますので、見た目にはそのような大きな捻転が行われているように見えたりすることもあるのですが、いずれにせよそのような複数の要因がありますので、下半身を止めて、上半身を一枚岩にして回すなどという、単純な動きではないということが分かります。というより、PGAのトッププロの殆どは、映像で観ると割とひょいっと、あっさりバックスイングしていることに気づくはずです。
身体を積極的に回すという考え方でゴルフをしている方は、辻褄合わせのために、下半身のどこかでブレーキをかけざるを得ないのです。
必要なパワーが溜まらないので、切り返しで積極的に腰を切るという動きを必要とします。上がっていくクラブと腰を切り返しで一瞬逆に運動させたり、上半身、例えば右肩をトップの位置に残したり、左の壁を意識したり、頭をボールの後方に残したり、色々な固定動作を必要としてしまうのです。
こうでもしないと、振り遅れてフェースが開いて降りて来てしまい、かつ、クラブが走らないからなんです。
例えば、胸の前でクラブのグリップエンドを親指と人差し指でつまみ固定して、クラブを左右に揺らす動作を行ないます。試してみてください。
右向け左的に自分で身体を回すと、クラブはめちゃくちゃな軌道で動きますが、正面を向いたままのイメージで、重心を左右に少し動かすだけでしたら、クラブは振り子時計のように安定した軌道でずっと動きます。
バックスイングで身体を回すと、何の操作もしなければ当たり前ですがクラブは思いっきり開いてインサイドに上がります。
ですから、昔から身体は横に回し、腕は縦に上げる。などと言われて来たのですが、どうも色々調べるとこのようなレッスンは一般的には日本でのみ言われていることのようです。
クラブの重量を手に感じ、これをスムーズに、フィニッシュまで途切れのない、イーブンペースで(スピードに強弱をつけないこと)、かつ、ある程度のスピードをつけて動かすことを意識すれば、
ここから逆算して身体は本能的に右足裏から左足裏にスムーズに重心移動を行なってくれますし、この自然発生的重心移動から身体の上の方に螺旋状に連動が伝わり、最後のクラブヘッドを動かしてくれます。
大切な話なので又別の記事に書きますが、重心が左右に足裏で動くときは、上半身はバランスを取ろうとしてその逆に重心を動かします。つまり、動作中のバランスを身体は取ろうとしてくれるのです。
ヒントとしては、両腰に手を当てて、正面を向いたまま腰を左右にクネクネ動かすと分かります。頭や軸は、動かない筈です。
ちなみに、ゴルフではアドレス、グリップ、テークバック、ハーフウェイバック、トップ、切り返し、ハーフウェイダウン、インパクト、フォロー、フィニッシュなどという用語があり、私も便宜上このような言葉を使うことがありますが、
本音を言えば、こんな言葉はない方が良いんです。
先ほども書きましたが、ゴルフスイングは棒をスムーズに振ることから逆算して起こる、人間の本来持つ本能的連動動作であるべきなんです。
身体の回転や、捻れ(実際は伸び縮み)、切り返しでの踏み込みや下半身がアドレスの位置に戻って回転しようとする下半身リードと言われる動きも、タメというものも、身体が勝手に必要な分だけ行なってくれますが、
身体を安直に上半身とか肩とか、そういった大きなパーツに分けて左右に回すと、この連動が一瞬にして消滅します。ただの、右向け左になってしまうのです。
まずは、身体を回すとか、捻るという考え方を捨てること。歩行と同じように、足裏で重心が動けば、連動して腕は勝手に振られるのだということを考えてみてください。
良く、漫画などで昔、運動会の行進で緊張すると、右手と右足、左手と左足が同時に前後に動く子供の描写があったりしましたが、
身体を自分で積極的に回す右向け左というのは、これと全く同じ動作になってしまいます。
頭で自分の身体に部分的に命令信号を送って動かそうとしても、身体はスムーズに連動は致しません。
脳から筋肉に、こう動けと命令して意識して動作を行なうには、おおよそ0.2〜0.4秒の時間を要するということも合わせて明記しておきます。
ついでに、
PGAのトッププロのスイングのスタートから、フィニッシュにクラブが収まるまでの時間は、男子で大体09〜1.2秒。一般ゴルファーのそれの平均は1.6秒と、実に33%ほどの時間差があることも付け加えておきます。
体力があり、プロ並みのヘッドスピードで振れている方でも、これよりスイングにかかる所用時間は多くかかっていることが殆どです。
筋肉は動き続け、連動することで、力を発揮するようになっています。
ですから、例えばゆっくり丁寧にバックスイングする。というような意識も、実はあまり効果を期待出来ないというより、連動が途切れ易く、スイング中の雑念が入る隙を生み、結果、よりゴルフを難しくしてしまう原因となりやすいです。
ゆっくり振っているように見えるプロでも、時間を測ってみると所用時間が短いです。
ただし、急いで焦って振る。というのも違います。
まずは、余計な動作をせず、考えず、固定概念を排して、身体を気絶する寸前かというくらい脱力して、気持ちを楽にし、結果に対する欲や恐れを勇気を持って無くし、
兎にも角にも、クラブをスムーズに振る【感覚】を感じられるように練習してみてください。
今まで身体を回して振り遅れ、結果フェースが開いて降りてきて、最後に帳尻合わせで手先でボールを捕まえたり、フェース面を真っ直ぐに戻して合わせていたり、腕を速く振って飛ばそうとしていた方は、
最初はきっとボールを上手く打てなくなる可能性が高いです。
ちなみに、腕を腕そのものの力で横に振ってしまう方も身体は簡単に悪い意味で回ります。腕と上半身が繋がっているからです。左肘が引けるというのも、腕主体でクラブを振っているから、クラブが走らず詰まって発生したりします。
ハンドファーストにインパクトするとか、タメるとか、ゆっくり降ろすとか、左手リードとかetc こういうものも基本的には全て振り遅れる原因になります。
クラブヘッドの運動半径というものは、腕や胴体の回転半径と比較して極めて大きいから、クラブヘッドは簡単に遅れて降りてくるからです。主観で書いてしまいますが、99.9%のゴルファーは振り遅れていると思っています。恥ずかしながら、私もまだその内の一人であるとも思っています。
ボールを打ちにいっても、クラブの動きにブレーキがかかり、結果上半身は、クラブが走り身体の前をスムーズに通過する前に、フォロー方向に開いてしまいます。
本当に反復性の高い、質の高いスイングをするには、まずは騙されたと思って身体を自分で回さないことからやってみてください。
余計な動作をせず、考えず、どこかを無理に固定したりせず、とにかくスムーズにクラブを動かし続ける。
今後も深い理解を得て頂いた上で、読んで頂いた方が結局は何も考えず、楽に力強くスムーズにクラブを振ることが出来るよう、
これからも、どんどんハイペースで投稿していきます。
今の段階では、まだまだ書くべきことがあり過ぎて情報が不足し過ぎていると思いますが、、、
引き続きよろしくお願い致します!