出発点へ愛を込めて #わたしにとって企画とは
思い出深いライブハウスが6月末で閉店する。
キャパは50人ほどで、とても暗く狭い。ライブイベントはもちろん、練習やレコーディングとしても使用される場所だった。なので行った回数自体は少なかったが、どれも濃く印象に残っている。
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高校3年生の頃。高校生バンドを集めてライブ企画がしたいと思った。バンドやったことがないのに、「企画」がしたかった。企画を立ち上げ、ライブ空間を作る裏方をやってみたかった。私の企画脳の出発点だったと思う。
デザイン科に通っていた私は、3年間の集大成である卒業制作に向けて「音楽ライブを企画して、グッズやフライヤーを作り、実際に開催して、それらを発表しよう!」と志し、クラスメイトと先生方にプレゼンをした。
だが。
めちゃくちゃ反対された。
「予算とかは?」「実際に開催は難しいよ」
「まあやってもいいけどデザイン科の卒業制作でやることじゃない」
なんかあんまり覚えてないけど、そんな感じのことを言われた気がする。
まあ、第一回目のプレゼンで通ること自体が難しいが、とても悔しかった。だって本当に開催したかったから。どうしようかと悩んだ挙句、違うクラスのバンドを組んでいる人に「ライブ企画したいんだよね。」と、LINEを送って相談してみた。
すると、あるライブハウスのスタッフさんを紹介してくれた。その方にすかさずDMを送った。
「バンドやったことないんですけど、高校生の私でもライブ企画ってできますか?」と。
いまだからこそ思うけど、なかなか勇気ある行動だなあ。と、我ながら感じる。この頃はまだ部活を引退していなかったし、大きな課題もあったし、確か。ドキドキしながら待っていると返信が届いた。
「ここならできるよ!」
教えていただいたのがここ、クレイジーママスタジオだった。
卒業制作とは別に、個人的にライブ企画を開催することにした。開催時期は11月。卒業制作では、架空のイベントを企画し、フライヤーなどのツールを制作し、ブランディングし、発表することになった。
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夏休み明けに、好きなバンドがクレイジーママスタジオに来ることを知った。ここでライブを見るのは初めてなのでとても楽しみにしていたが、それと同時にメンタルが辛い時期でもあった。就職試験の2週間前だったし、学校行事の準備諸々もあった。
なんぜ11月に自分の企画が開催するから、いくら試験前だろうが行こうと決めた。
この時期の放課後は本当に地獄だったのによくもくぐり抜けて来れたなあ。なんて思っていたが、行けてよかった。メンタルがヤバいときのライブほど響くものはない。
11月になり、無事企画が開催された。初めてにもかかわらずいろんな方に来てもらって嬉しかった。エネルギッシュな演奏と、笑顔あふれるお客さんの姿に感動した。瞬く間に終演に近づく安心感と虚しさはとても新鮮で、企画の感触をしっかり体感できて幸せだった。
そしてなんとか卒業制作も終わり、あっという間に高校を卒業。
それからしばらくライブ企画をやっていなかったが、去年久しぶりにここで企画を開催した。
私がここに来たのは、この日が最後だった。
自分の企画だけでなく、様々なバンドのライブをここで見た。そのたびにはじめてライブ企画をしたあの日を思い出す。
あのときライブ企画をしていなかったら、企画とはほど遠い世界にいたかもしれない。イベントに参加する側に、ずっといたかもしれない。
noteで個人企画をすることもなかったかもしれない。そしてオンラインイベントを開催することも、なかったかもしれない。
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私にとって企画とは、人生だ。ちょっと言い過ぎかな。
だが、それだけ私の生活を一転させた。企画をすると本当にいろんなことを学ぶ。人脈が広がる。楽しい空間を創ることができる。だがそれ以上に大変なことがある。周りからさまざまな言葉を浴びるようになる。苦しくて泣き出すこともある。だからこそめちゃくちゃ成長できる。
企画に夢中だった高3のころ。ある友達に「きゆかって企画が好きよな。誰かを喜ばせるのが上手いというか、すごいよな。」みたいなこと言われてとても嬉しかった。
私は誰かを喜ばせることが好きだ。誰かの笑顔を見ることが好きだ。企画をする根本は、きっとそういうことだ。
企画の楽しさを教えてくれたクレイジーママスタジオには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!
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個人企画のプロフェショナルこと、マリナさんのゆる企画に参加しました。
最後に、マリナさんの名言を添えて。
そこにエベレストがあるからエベレストに登りたいと言った登山家ジョージ・マロリーがごとく、noteがあるからnoteで遊びたくなる、ただそれだけなんです。
みつけてくれてありがとうございます。 いいね(♡)は元気の源です!サポートはもっと元気になります!笑 定期的に更新していますので、よかったらまた、きゆかの様子を見にきてあげてください!