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渋谷 宮益坂下交差点1984⇔2025(はじめに)
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銀座線の向こうの空が広く抜けている。森山、深瀬ゼミの仲間と1984年から約2年間、宮益坂上に写真専門の自主ギャラリー「ギャラリー櫻組」を開設した。この場所に来るとその頃の記憶が蘇ってくる。
1984年、東京写真専門学校を卒業した私は、恩師である森山大道先生や深瀬昌久先生の助言を受け、卒業生有志11名とともに、豆腐屋の2階を借り、一人一週間ずつ展覧会を開催しました。私自身は、日常の風景を切り取った「写真日録」を展示しましたが、当時の来場者は1週間で30人に達すれば上出来という状況。それでも、街を歩き、撮影し、展示を続けることは、何より楽しいひと時でした。今でも宮益坂を歩くと、当時の記憶が鮮やかによみがえります。
2020年、コロナ禍の緊急事態宣言で自宅で過ごす時間が増えたことをきっかけに、40年近く前のモノクロフィルムを整理していると、忘れていた光景に再会しました。その中には、当時選ばなかった写真にも新たな魅力があり、それらをSNSに投稿したところ、大きな反響をいただきました。同じ場所を同アングル、フレーミングで撮影し、過去と現在を比較する試みも多くの注目を集めました。現在では、一枚の写真がインスタグラムで2万人以上に見られることもあり、かつての「ギャラリー櫻組」時代とは比べ物にならない反響を得ています。また、2021年から2023年にかけて出版した写真集3冊は累計で3万8千部を突破しました。
昨年も多くのメディアに「東京タイムスリップ」を取り上げていただきました。正月には、高田文夫先生が「ラジオビバリー昼ズ」で「記憶に残る町の風景!」として『東京RETROタイムスリップ1984⇔2023』を紹介してくださいました。1984年当時、私は毎週木曜日深夜に放送されていた「ビートたけしのオールナイトニッポン」を楽しみにしており、たけしさんと高田先生のやりとりに魅了されていました。写真を撮る以外で最も楽しかった時間がこのラジオを聴く瞬間だったのです。その高田先生とお会いできたことは、過去の記憶と現在がつながり、未来へのパワーをいただけた感動的な経験でした。
さらに、2022年11月から始まったテレビ東京『よじごじDays』の企画「写真で比べる昔と今!東京タイムスリップ」では、女優の櫻井淳子さんとともに東京の街を巡りながら、80年代の世界を旅する楽しさを伝えてきました。これまでに11回放送され、毎回、楽しく夢のような体験です。
いつも聴いている、J-WAVE「STEP ONE」にゲスト出演「東京タイムスリップ」紹介していただきました。サッシャさん、ノイハウス萌菜さんと生放送ドキドキ、楽しかった。インスタフォロワーが急上昇。
また、元旦の特番「おしょうバズTV」(テレビ朝日)では「昔の写真から今の場所を探せ!」という企画が2020年から毎年取り上げられており、2025年元旦には5回目の放送がされました。日村さんと吉村さんが1984年の写真を手に、現在の同じ場所を探す様子には、写真を通じた時代のつながりと楽しさが溢れています。
今振り返ると、森山、深瀬両先生が自主ギャラリーを僕らに半ば強制的にやらせたことは、いつか評価につながることを確信していたのだと思います。森山先生は「写真は撮らないと始まらない」と口癖のように仰っていた。「量が質を決める」という教えにも従い、街角、路上に出て撮影を重ねた日々が、今の成果に確実につながっています。
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100年に一度といわれる大規模再開発が続く渋谷や新宿をはじめ、東京の街は今も大きく変貌を遂げています。今年も10日過ぎましたが、私は1984年を起点に、2020年から2025年へと、まるで地層を重ねるように街の記録を撮り続けていきたいと思います。益々パワーアップしてゆく「東京タイムスリップ」お楽しみに。
現在(vol19)連載中のデジタルカメラマガジン「東京タイムスリップ」も、ぜひご覧いただければ幸いです。今年3月に開催されるCP+2025では、玉ちゃん(玉袋筋太郎さん)とのトークショーも予定しており、今から心待ちにしています。
「写真で語る『東京タイムスリップ』×『玉ちゃんの昭和あるある』〜懐かしくも新しい昭和・平成・令和の交差点〜」
まずは、自己紹介兼ねて「東京タイムスリップ1984⇔2021」(河出書房新社)が生まれた話からスタートです。
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