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【鍋島青磁】おうちが博物館に…?息を呑む、佇まい。

トゥルンとした光沢と、淡いミントグリーンのような色合いが特徴的な青磁。個人的には磁器より陶器が好きなので手にする機会はあまりないだろうなぁと思っていたのですが、窯元に行ったらアラ不思議。一寸の迷いもなく、財布を取り出していました。

ここで青磁について、覚え書をば。

青磁とは…

釉(うわぐすり)に含まれる鉄が還元されて、緑青色あるいは黄みを帯びた青色を呈する磁器。中国で発達し、安南・朝鮮・日本などに伝わった。

大辞林

焼物の王者とも呼ばれ、愛好家がとても多い青磁。聞けば、うわぐすりとなる原石がとてもとても希少で、伊万里の大川内山で採取される天然の原石は門外不出だったのだとか。大川内山でも採れるのはわずかな区域だけのようです。

写真向かって右側(映ってはいません)の山の一角で採掘されるそう。

大川内山に窯元が集中した理由こそが、この天然原石にあったのです。ちなみに「鍋島」の名は、江戸時代に鍋島藩に献上していたためこの名前に。磁器の生産地としての歴史は約400年にわたります。

お話をうかがったのは、「長春青磁陶窯」さま。

気品ある青磁に圧倒されていたわたしたちに、お母さまが優しく声をかけてくれました。

⚫︎長春窯の青磁は大川内山の原石100%であること
 ※科学釉を否定しているわけではありません
⚫︎いつも同じ焼き上がりにはならないこと
⚫︎陽の光のもと見事に透けること
⚫︎朝鮮青磁との色合いや土の違いについて
⚫︎龍や鳳凰といった縁起の良いシンボルの取手について

話しは尽きず、1時間ほど滞在したでしょうか…初心者にもやさしく丁寧に教えてくださって、青磁への興味がますますわきました。

そうして迎えたのが、こちらの花器です。

見事な光沢。どうやっても自分が写り込みました…。

お母さまが「お花を活けてもいいし、今は造花なんかも多いからそれも良いわね。それに何も活けなくても、本棚にちょんと置くだけでもいいのよ」とおっしゃって、青磁のパワーを思いしらされました。ほんとに、置いた場所が特別な空気をまとうのです。

お花屋さんに行くぞーと思っていたけれど、なんだかもったいなくて、数日はこのまま愛でることにしました。

素敵な出会いに感謝。(お母さまにも!)
たいせつにします。

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