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【KY5】女性活躍推進に取り組むとは?


女性活躍とはそもそも何ですか?

JAL(日本航空)の社長に元CAの女性が就任

最近話題になっていますね。
今回は特に日本航空のアレコレを書きたいのではなく、このネタを切り口にちょっと考えてみました。
私の娘が大人になる頃には、女性活躍なんて死語になっていればいいなと思います。
ちなみに私は、まあまあ大きな企業から小規模な企業まで、女性活躍についてコンサルティングの実績がありまして、今回は独自の視点からお伝えできればと思います。

ダイバーシティと女性活躍の違い

ダイバーシティとは多様性を受け入れるということです。割とLGBTQについて問題になることが多いですね。
たまにダイバーシティに女性活躍を含めている企業さんもいますが、人口の半分が女性なのだから、女性活躍をダイバーシティに含めるのはおかしいです。

女性活躍推進はステレオタイプを捨てること

多くの企業の管理職は男性です。そのような男性管理職に話を伺うと、これからの企業は女性の価値観を受け入れ多様性を持つことで、新しい商品やサービスを提供し、成長していかなければならない、なんてことを真顔で言ってきます。
しかし当の女性社員に話を伺うと、自分たちの意見を商品・サービスの開発に生かしてほしいとか、会社の中で活躍したいなどとはあまり言ってきません。
では何を言ってくるのかというと、来客があれば女性社員がお茶くみをするように上司の指示があったり、食事の手配は女性社員任せであったり、手紙を書いたりするのを女性社員の職務として割り当てられたりと、これらの扱いが理不尽だとのことです。
女性であっても料理が下手な人はいるし、字が下手な人もいる、別に性差で変わるものではないのに、一方的に役割分担を押し付けられるの嫌だということです。
体力や筋力、体調面での違いなどの配慮は必要だが、そうでもない勝手な思い込みが女性活躍を阻害しているということです。

女性活躍が進んでいる企業とは?

女性活躍は女性管理職が担当するもの

これは絶対条件だと思った方がいいです。
例えば、男性は女性トイレや女性更衣室に入ることができますか?
普通は入らないですよね。このように男性は、女性専用エリアに入ることはないですから、このような場で行われる女性同士の会話に入ることもありません。
つまり男性は、女性の本音に関わること機会が少ないです。月経や更年期障害などについても、体感的にも理解することができません。
したがって女性活躍は、正しく内容を知る立場である女性管理職が適任となります。

女性は管理職になりたがらない

男性の視点で見ると、おおよそ管理職になることが活躍と捉えています。
ところが多くの女性は、管理職になりたがらないです。どちらかというと責任だけ増えて、デメリットばかりでやりたいことができず、活躍にはつながらないと考えているとのことでした。
管理職になり給料が上がるメリットよりも、現状のままで良いとのことです。確かに日本の企業は生産性が低く、労働基本法では管理職に残業代は出ませんし(深夜帯は除く)、むしろ労働環境は悪化するので非常に現実的だと思います。
では、どのような場合が女性活躍なのでしょうか?
たくさんの女性社員にお話を伺うと、今いる職場で現在の立場で、やりがいのある仕事がしたいとのことでした。
今の仕事がやりがいが少ないから、活躍できるようやりがいを増やしてほしいとのことです。確かに今の仕事で活躍できないのであれば、管理職になったところで活躍できるとは限らないですよね。

女性はロールモデルを求める

では女性社員はどのようにすれば、管理職になりたいと思うのでしょうか?
色々と女性活躍推進のコンサルティングをする中で分かったことですが、女性と男性では根本的な考え方に相違があります。男性は結構いい加減で、一つひとつの階段を昇らずとも、上司から昇進の辞令があれば、二つ返事で事が進むことが多いです。
それに対し、女性は一つひとつ階段を昇らないと気が済まず、管理職になるための心構えや能力、待遇面、職務内容などの課題を一つひとつ明らかにしないと気が済みません。
特に社内に女性管理職がいて、その人が生き生きと働いていることが、後押しになることが多いです。意外なことに、部下の女性が一つひとつ課題をクリアしたいと思うのと同様に、女性管理職も部下の女性に自分がたどった道筋をたどることを期待することが多いです。

女性活躍と少子高齢化対策は相容れないところがある

ここまで考えると、女性管理職の登用のハードルは高いことが分かります。実際にそこそこの大企業でも、女性管理職がほぼいないことなど、当たり前に見かけます。
もっともそれ以外に、企業側は女性に配慮しないといけないことがあります。実は政府の言う女性活躍と少子高齢化対策という同時に語られることが多いのですが、両社はかなり矛盾しています。一方は女性に子供を産むように求め、他方で労働力不足の解消のため働き手を求めているということです。
女性は社会から、この矛盾したプレッシャーを受けているということです。従って企業は、女性が出産・子育てをするか、活躍を求めて働くか、いずれの選択も自由にできるような環境づくりが大切になります。

女性活躍とESG投資

ESG投資とは何ですか?

ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の単語の頭文字をつなげたものです。
簡単に言うと、ただ利益を追求するような企業より、環境や社会に配慮したり、法令を守るような企業に投資しましょうということです。なぜそのような企業に投資すべきかという点ですが、汚染物質を流すような企業やブラック企業、賄賂などをする企業は長く続かないし、投資対象として相応しくないということです。
リーマンブラザーズの破綻後から、特に注目されるようになりました。女性活躍もESG投資で着目されています。

女性活躍は投資判断の材料の一つ

今回はJALの女性社長就任を切り口に考えてみましたが、社外取締役ではなく社内昇格という点が、素晴らしいと思います。自社の女性社員が置かれた環境を理解されていますし、自社の女性のロールモデルになり得るという点ですね。
ただ女性活躍が進んでいるから投資するというのは、早計だと思います。なぜなら、女性が働きやすい職場は必ずしも男性も働きやすい職場とは限らないからです。あくまで投資判断の一材料とした方がいいです。

今回はここまで。次回もよろしくお願いいたします。



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