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Oh ロミオ!!

俺は殺されたんだ
それはあのロミオとジュリエット
そのジュリエットのパパに政敵として
葬られたのである。

謂れの無い難癖をつけられ
わが一族はことごとく裏切り者として
処刑されてしまった。

当然、成仏できずに
ジュリエットファミリーの家を
徘徊してたのだよね

根は明るいほうだから
そんな禍々しいこともできず
無為に日々を過ごしていると

不意にそのチャンスが訪れた
娘のジュリエットが大分、心身を喪失している
できるかーできるかなーと
興味本位でやったらできたんだよね

憑依ね

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「ジュリエットは少し寝ときなさい」
そう言って見事にコントロールできた
だけど、尿意あるなこれ
でも・・・女性の身体はわからないしな
一応レディーだから尿意は我慢しよう

というか、気づかなかったけど
男と一緒にいるし何か馬に乗っている

「ねぇどこいくのぉ?」

「何を言っているんだジュリエット
 俺たちはもう二人で駆け落ちしよう
 そう決めただろう?迷わないで
 一緒にあの世で幸せになろう」

ええええええええええ
これは今から死のうとしてるの?
だから憑依できたんだ?

「うーーーーーーーん」
「えっ嫌になったの?」

ヒヒーーーーーン
馬が止まる。

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「嫌なの?」
「うん嫌」
「どうしたの急に?」
「死ぬことはないんじゃない?」

「何を言ってるんだジュリエット!
 二人が結ばれるにはこうするしかない」
「いや、本当にそうか?おまえも政敵か?」

「おまえ?」
「いや、おぬし」
「おぬし?」
「なんでもいいじゃない!!!」

逆切れする以外にないな・・・・
何て呼べばいいのだろうか?
おまえが誰かわからない

「どうしたんだジュリエットらしくない」
らしくないも、中身が違うからねこれ!

まず、状況を把握したい
駆け落ちをしようとしているのな

多分ジュリエットの親父に反対されたのだろう
ジュリエットの親父は聞かない人だからな
こいつも政敵なら気持ちを
叶えてやりたいが、久しぶりの生身だしな

てか、駆け落ちって
こっちは生きたくても処刑されたのに
命を粗末にしちゃだめだよね

「そういえば、ジュリエット少し膨らんだ?」
確かに俺が憑依した際
ジュリエットは膨らんだ気がする

生前の俺の体形を模したのかな?
「膨らみましたー」
「整いましたーみたいにいわんでくれる?」

「ねづっち知ってるのか?」
「ねづっちは知らない」
ねづっちは知らなかったようだ

「とりあえず、断崖に行こう」
「なんで!?」

まぁ馬に乗っているけども
この身体には乗り切れていないので
下手に飛び降りたらどこか骨折しそうだ
取敢えず様子を伺おう。
ただ、心中する気はないぞ?

色々思案するうちに断崖についた
「キスしたい」
「嫌です」
「何で?」
「何でっていわれてもな」

「一緒に飛び降りようって
 約束したじゃないか」

飛び降りるとしても
キスするかどうかは別じゃないか?

「男ならば逃げないで戦って見せよ!!」

「何と!?」
「わが父とだよ。それからだろう?」
「死ぬのが嫌になったのか?裏切るのか?」

「いや、裏切るとかじゃなくてさ
 方法論が極端すぎないか?
 もし、同意してたならば謝るけど
 それでも、おまえは極端すぎるよ!」

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