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続パライバな日々 2024年休日編
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今回は、2024年9月にブラジル・パライバ州の鉱山開発に訪れた際の続編です。鉱山近くに滞在している間は、家のリフォーム資材を買いに行ったり、ライセンス関連の打ち合わせがあったりと仕事もありますが、それでも1か月以上の滞在では休みの日もあります。さらに、作業の進展次第では何もすることがない日が意外と頻繁に訪れることも。今回は、そんなパライバでの日々の“休日編”をお届けします。
カーボ・ブランコのビーチで何もしないを楽しむ
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こちらはパライバ州の州都、ジョアンペソアの風景です。ジョアンペソアはビーチリゾートとして知られ、鉱山の街にはないものがたくさん揃っています。
鉱山の街には世界的に有名なハンバーガーショップやピザチェーンはありませんが、ここに来れば何でも揃います。美味しいレストランも多く、食事には困りません。
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美しいカーボ・ブランコのビーチです。ジョアンペソア滞在中は、昼間のほとんどをこのビーチで過ごします。おしゃべり好きなブラジル人たちとビールを飲みながら、のんびりと海を眺める――まさに“何もしない”を楽しむための場所です。
日本のビーチに比べて波がかなり高いため、遊泳はあまりしませんが、ここから多くの観光船が出港しており、沖合の波が穏やかな場所で泳ぐこともできます。
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まさに南国のビーチといった美しい風景が広がっています。このエリアは現在、リゾート地として人気が高まり、地価も急上昇しているそうです。
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海辺で寝そべっていると、さまざまな物売りがやってきます。こちらはロブスターで、この地域の名産の一つです。
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こちらはオイスター、つまり牡蠣です。私はあまり牡蠣が得意ではないので、今回は頼みませんでした。
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ビーチサイドには『キオスク』と呼ばれる、日本でいう海の家のような施設がたくさん建ち並んでいます。
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キオスクでは、地元の名産海産物を使った美味しい料理を楽しめます。美味しい料理に美味しいお酒、美しい景色、そして素敵な音楽。まさに最高のひとときです。
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こんな素敵な夜景が楽しめるバーもあります。洗練されたおしゃれな雰囲気が魅力的です。しかし、20年前までは車がほとんどなく、ロバが現役で活躍していたそうです。今ではすっかり都会となり、車の大渋滞も見られるようになりました。
休日はパレーリャスに行こう
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こちらは、私たちが滞在している街からパレーリャスの方向を示す看板です。車で1時間以上かかりますが、道は一本道なので、パレーリャスの方向さえわかれば迷うことはほとんどありません。一本道で二回ほど遭難したことがある私でも、看板があれば安心です。
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パレーリャスまで34kmです。このまままっすぐ進めば間違いなくパレーリャスに到着します。少し前までは道が悪く、3時間以上かかっていたそうですが、今は舗装されているので、それほど大変ではなくなりました。
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私がパレーリャスに行く理由は、パライバトルマリンを買いに行くこと以外ありません。毎回、BRAZIL PARAIBA MINE(通称BPM)にお邪魔し、直接パライバトルマリンを仕入れています。
今回は、仲の良いBPMの職員の方と食事をする約束をしています。お店は周辺にここくらいしかないので、迷うことはないでしょう。
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ブラジルは肉料理が多いのですが、この日は魚料理でした。このあたりの名物だそうで、土地柄、淡水魚が使われています。とても美味しくいただきました。
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こちらに見える山が、パライバトルマリンが採れるパレーリャスの山です。
このあたりに来ると、もしかしたらパライバが落ちているかもと思うこともありますが、実際に見つけたことはありません。
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今回はとても可愛らしいパライバインクォーツを購入することができました。
パライバの人気が高まるにつれて、パライバインクォーツの価格も急上昇しており、特に可愛いものは国内ではなかなか仕入れられません。このような点も現地に来ている特権だと感じています。
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今回はこのような原石も購入してみました。何かジュエリーに加工できないかと考えているところですが、とりあえずは原石として販売してみます。鉱物好きの方には必見ですよ!
近くの鉱山を見学しよう
我々の鉱山周辺には、もちろん他にも鉱山が点在しています。しかし、パライバトルマリンが採れる鉱脈は限られており、ある程度決まっています。
今回は、我々の鉱山の正面にある別の山にある鉱山を見学しました。鉱山主もお友達なので、許可をしっかりと得ています。もちろん、勝手に入ることはできません。
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こちらの鉱山は、車での移動がほとんどできません。採掘現場まで行くには、かなりの山道を歩かなければなりません。日差しの強い中での登山です。
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こちらが実際の採掘現場です。現在は稼働していませんが、近々再開予定だそうです。ここでは宝石ではなく、主に建材として使用される石材を採掘しています。
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こちらはローズクォーツの原石です。写真ではわかりにくいかもしれませんが、それぞれかなりの大きさで、持ち上げるのが難しいほど重いです。
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奥に見えるローズクォーツは、色が良く透明感もあるため、宝石品質かもしれません。ただ、非常に大きく重いため、持ち帰ることはできません。
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実際に来てみるまでわからなかったのですが、我々の鉱山とは産出される鉱物が異なります。こちらではパライバトルマリンは産出されたことがありません。
我々が採掘しているバターリャからパレーリャスにかけての鉱脈とは、別の鉱脈なのです。
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デントリティックアゲートを発見しました!
でもこちらも例外なくかなりの大きさです。なかなか都合の良いサイズは落ちていませんね。
地元の名酒の工場見学をしよう
「我々のチームには酒好きが多く、特に皆が愛するのがカシャーサというお酒です。カシャーサはサトウキビを原料にしたブラジルの蒸留酒で、伝統的な地酒として親しまれています。
日本の焼酎や日本酒と同じように、地域ごとに個性豊かな銘柄があり、我々のお気に入りは『Matuta』。せっかくなら醸造所を見学しよう!ということで、今回は伝手をたどり、実際にMatutaの醸造所を訪れてきました。
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Matutaブランドにもさまざまな種類があり、ここではそれぞれのカシャーサを試飲することができました。ちなみにこの日は醸造所を3軒ハシゴしています。
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こちらはサトウキビを搾る機械です。酒造りには詳しくありませんが、搾り機があり、原材料がサトウキビならば、これは間違いなくサトウキビを搾るための機械でしょう。
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こちらはおそらく蒸留用の窯です。カシャーサは蒸留酒なので、おそらくこの機械で蒸留しているのでしょう。
正直、ここが3軒目ということもあり、かなりお酒が入っていましたし、説明もポルトガル語と英語が入り混じっていたので記憶はあいまいです。でも確か、蒸気が出ていたような気がします。
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こちらはお酒を熟成させるための樽です。確か、樽の種類によって味が変わるとか、熟成期間によって風味が違うとか、そんな話を聞いたような気がします。正直あいまいです。でも、そんなことよりも、一生かかっても飲みきれないほどの大量のお酒が並んでいる光景に圧倒されました。
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こちらは給油機を模したユニークなオブジェ。「お酒を満タンにしていってね」という遊び心が感じられます。
ここから閲覧注意かも!蟻を食べに行く
ここから先は昆虫が苦手な方は注意!今回はブラジルの田舎町で食べられる蟻料理を求めて旅をしました。しかもこの日は選挙の日。田舎町では選挙が一大イベントになり、超巨大スピーカーを積んだトラックが爆音を響かせ、バイクは花火と爆竹を鳴らし、人々は踊り狂う。スピーカーの上でさえ人が踊るほどの熱狂ぶりで、私もスピーカーに乗ってみましたが、「狂喜乱舞とはこういうことか」と実感。ブラジルでは選挙に理由なく参加しないと罪に問われるため、投票率も非常に高いです。
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ブラジルの田舎に行くと、日本人はとても珍しく、まるでスターのような扱いを受けます。「一緒に写真を撮ってほしい」「握手してほしい」と頼まれることもしばしば。
ブラジルには「あなたの隣には、あなたよりも努力している東洋人がいる」という諺があり、これは日系ブラジル人の功績を称えたものです。そのため、田舎では日本人のイメージは「お金持ちで努力家、そして真面目」なのだそうです。
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さて、お待ちかねの蟻とご対面です。「蟻」と聞いていましたが、実際の大きさは少し大きめの蜂といった感じ。羽蟻なので、見た目もどちらかというと蜂に近いです。
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ちなみに、この蟻は地元では高級食材とされています。雨の後に地上に上がってくるので、みんなで捕まえるのだとか。今回は、事前に蟻を食べたいとリクエストしていたため、数日前に捕まえたものが冷蔵庫で保管されていました。
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肝心のお味の方ですが、とても美味しいです。もちろん見た目で敬遠する方もいるかもしれませんが、味と食感はエビに似ていて、シンプルな塩味で味付けされています。お酒のおつまみとして、パクパクと食べてしまいます。
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