ノーベル物理学賞受賞者「真鍋淑郎さん」のキャリア形成法に学ぶ
部屋の片付けをしていたら、2021年に地球温暖化の研究でノーベル物理学賞を受賞された真鍋氏の報道の記事の新聞の切り抜きを見つけました。
改めて読んでみると、彼のキャリア選択について記載されており、興味深かったので記事として書くこととしました。
真鍋さんの米国でのキャリア
真鍋さんは、日本人ですが国籍は米国で、今も米国在住です。現在90歳の方が若い時に米国で研究を続けたのが非常に興味深く、報道を聞いていたところ、こんなコメントをしていました。
「私は日本にいたら、自分のやりたい研究に没頭することが出来なかったから、米国での研究を選択した。」
日本と米国の文化の違い
日本人は非常に協調性を重んじる国民である。人の動向を観察して協調していかなければならない。そうしていると自分のやりたい研究をすることが出来ません。
アメリカは、人が何をしようと関知しない、自由です。
私のアメリカの上司は私がやりたい事を何でもやらせてくれた。だから研究に没頭できて、今がある。素晴らしい国です。
そして同時に日本の研究の教育についても苦言を呈されており、日本も変わっていかなければならない、とのコメントでした。
このコメントには様々な要素が詰まっていて、私も非常に共感できます。
企業文化の日本と米国の違い
まさに、真鍋さんのコメント通りなのですが、企業内でも全く同じ事が起きます。
アメリカでは、よりよくするために、会議でも例えば反対意見でも自由に発言が出来ます。
その一方で日本では、会議は既に根回しの時点で終わっていますので、会議中に反対意見を言うことは原則タブーです。
私は外資系企業から日本の企業に転職した際に、それを知らずにかなり痛い目にあいました。
外資系の時は、自分の意見を伝えるということが当然に求められていたので、その習慣で、日本企業で勤め始めたころに、会議で意見を聞かれたので、上席の方でしたので、一応相手を尊重したつもりでも、違う意見をストレートに伝えたところ、後で当時の上司にかなり叱責されました。
会議では自分の意見を伝えるのではなく、周りに合わせた意見をいうべきだと、暗に言われました。まさに忖度しろということでした。
そのため真鍋さんも日本にいると、他の人の研究を手伝う、所属している研究室の教授の意向を尊重した研究をしなければならなかった可能性が強いです。たとえ自分の意思に反した研究でもです。
その一方、アメリカで研究をした真鍋さんにはそういったプレッシャーは一切ないので、自分のやりたい研究に注力でき、ノーベル賞に繋がったということだと推察します。
真鍋さんが米国のキャリアにシフトするためににやったこと
実際に真鍋さんにインタビューをしたわけでもないので確実かといったらそうではないのですが、真鍋さんはご自身をよく理解されていたと思います。
例えば、報道の情報から真鍋さんのポイントでは下記の通りです。
・子供のころから探求心が旺盛
・人に邪魔されず、自分のやりたいことに没頭したい
・自由が好き
・他の人の動向などは気にならない
ご自身の研究のゴールを見据えた際に、日本で研究を続けるとゴールには辿り着かない、とご自身で米国行きを決断されたのではないかと予想します。
真鍋さんのキャリアに学ぶ
今まで真鍋さんの例を紹介してきましたが、皆さんももし、今ご自身のキャリアに悩まれていたら、同じようにご自身の声に耳を傾けてみることをおすすめします。
例えばですが、下記を問いかけてみてはいかがでしょうか。
・仕事上でのゴールは何か?
・仕事の仕方は?皆で協調しながら進めるのが好き?自分でどんどん進めていくのが合っているのか?
・やるべきことであれば、達成するために手段は選ばない方か?
そして、ご自身と現状を見比べて、ご自身の目的を達成できなそうな環境であれば、出来るだけ早いうちに環境を変えることを強くおすすめします。
合わない文化の中で過ごすほど苦痛なものはありませんし、その言った中ではどうしてもパフォーマンスをあげていくことは誰しも難しいです。
幾つになっても転身は可能ですが、なるべく早い方が身軽に方向転換できます。
90歳の方が、偶然ではなく、早い段階にご自身でキャリアを選択し、成功に結び付けたことに非常に驚き、元気をもらいましたため、紹介をさせていただきました。