社会への参加の意味
今日は私の務める事業所にて、先日収穫した大根を中心とした野菜販売を行いました。
私の務める事業所は
身体や心に何かしらの障害があり、一般的な就労が難しい方々の就労に向けた訓練や社会参加の場を作る障害者支援施設です。
障害福祉サービスでいう就労継続支援B型事業所に位置付けされます。
私はそこで施設長兼サービス管理責任者として、作業療法士として働いています。
今日の販売も利用者さん(うちではメンバーさんといいます)と一緒に販売を行いました。
この野菜は、わざわざ事業所で私たちで販売をしなくても良いといったらまぁ良いのです。
直売所やスーパーなどに卸して販売をお願いすることもできます。
なぜ私たちの手で販売をするのか
そこに社会への参加の意味があります。
障害を負った方々は、その病態にもよりますが社会との繋がりが希薄となってしまいます。もちろん個人差はあります。
今日販売を行ったのは精神障害の診断が付いた方です。統合失調症という妄想や幻聴、幻覚といった症状が出現する精神疾患の1つです。
社会との繋がりが希薄になるのは、その方から他との繋がりをシャットアウトするパターンもあれば、周囲の人々の印象やイメージにより、周囲の人々すなわち他の方からシャットアウトしていくパターンがあります。もちろん双方もあると思います。
社会との繋がり
抽象的な表現ではありますが、これは本当に多種多様なスキルが必要となります。
この繋がりが希薄となることでのリスクというものも様々あります。
病態の進行、活動度の低下、それに伴う身体機能や認知機能の低下、社会性の低下、などなど
あと1つ本当に怖いなと私自身思っているのが喜怒哀楽といった感情が無くなってしまうことです。(無くなるというと極端に聞こえるかもしれません)
何かに取り組むことの楽しさ
ありがとうと言われる喜び
私たちも素直に嬉しいと感じる事に対しての感情が希薄となってしまうこと
それだけは無くなってほしくない
"その人らしさ"
ここについては病気があろうと絶対に失わせない
これは私が療法士として働く信念でもあります。
社会との繋がり、社会への参加の意味
これらの場をつくることも大切です。
実際の今日の販売状況といいますと
午前中0本・・・
メンバーさんは「中々売れんもんやなぁ」と渋い表情で昼食をとっていました。
昼からも中々足を止めてくれるお客もおらず「今日は売れんかなぁ」と思っていた時、今日初めてのお客さんが来てくれました。
メンバーさんと少し練習した接客方法で対応し、2本売ることができました。
「寒いのに頑張るね!またきますね。」
とのお客さんの言葉にメンバーさんもとても喜んでいました。
中々普段見れない良い表情をしていました。
リハビリテーション専門職として、社会との繋がりを創る架け橋的存在であっていきたいなと改めて思った今日の出来事でした。
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