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金~money~
「世の中、金だよ」
「大切なものはお金じゃない」
金については、様々な意見がありますよね。
私自身も上述の意見については、どちらが正しいのかの判断は正直できません。しかしながら、人生の豊かさや彩りを作っていくにはお金というツールが何かと円滑に物事を進める気はします。
私の勤める障害者支援施設では、様々な障害を持たれた方が利用していますが、よくこのお金問題が発生します。
「お金使い果たしちゃった」
「借金がある」
「お金が無さ過ぎて毎日憂うつ」
などなど様々なお金にまつわる悩みを持たれている方は多いのが現状です。
障害の影響で働くことができない、すなわち労働による収入がないのです。
働きたい気持ちはある、しかし、病態により働くことができない、病気の理解を従業員にしてもらえない等、障害者の就労には数多くのハードルが存在しているのが現状です。
では、このような方々はどこから収入を得ているのか。
主には、生活保護費や障害基礎年金から2カ月に1回収入を得ています。これらに、障害福祉サービスの就労継続支援サービスを利用している方であれば、そこで働いて得られる給料及び工賃が加わります。
決して高い額ではありません。
私が運営している事業所は就労継続支援B型事業所という位置づけのサービス事業になるのですが、1ヶ月の工賃は全国平均でも15,603円(H29)、時給でいくと平均205円程度という現実があります。
生きていくために必要な生活費や医療費等を除けば残るものはほんの僅かな印象です。
これらに加え、障害の状態、特に知的障害や精神障害の方は金銭管理能力の乏しさが見受けられることがあります。衝動的に労費をしてしまう、金銭計画を立てれない等、第三者が介入しなければ生活自体に影響を及ぼしてしまう事案も多いのが現状です。
私たちも普段の支援の中で、この「金銭管理」については常に着目し注意をしています。概ね過度な労費等により資金がショートしそうになっている時は、体調面等に表れ始める方が多い印象です。そうなってしまうと事業所での仕事に集中できない、刺激(音や他者の声等)に対し敏感になる、ストレス増加など負のスパイラルに入り込みやすくなります。時には自傷行為(リストカットなど)に及ぶ方もいたりします。
これらのリスクを防ぐためにも、生活の基盤となる「金」については、どの程度の余裕があるのか、サポートしてくれる方が身近にいて協力的なのか(大体は家族等が多いです)、これらについては押さえておくべきと思っています。
お金が増える(収入が増える)ことによる弊害ももちろんありますが、どのように、何のために使うのか、目的を本人としっかりと共有しながら金銭管理能力を身に着けていく手段を考えていけたら、、、趣味や余暇など生活の豊かさや彩りを付けることに繋がっていくのではないかと思います。
本当にお金のことって奥が深い。
ちなみに私の事業所では、全国平均月額15,000円程度の安い工賃をどうにかしたいという思いで利益性の高い仕事作りを行っています。まだまだ成果は途上段階はありますが。
「障害があってもしっかりと稼げる」
「障害があっても誇れる仕事がある」
そんな社会を創っていきたいと思っています。