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道筋を示す
中々最近投稿できてませんが、お久しぶりの投稿です。
最近は、仕事の方でバタついており中々余暇的にnoteを見る時間も少なくなっていました。優先度は仕事の方が高いのでどうしても手を付けれませんでした。
その仕事の方ですが、ここ1ヶ月で随分新しい利用者さんも増え、事業所も幾分活気ついて気がします。
今日はある利用者さんのことを書こうかと思います。
Aさんにしておこうか。
Aさんは精神障害と知的障害を持つ女性利用者です。
うちの事業所を利用し始め2カ月となりました。
入所当初は新しい環境でもあり緊張も強かったのか、表情も険しく「前の事業所と雰囲気が違う。誰も信用できない」と毎日気分の浮き沈みがあり、中々仕事も取り組めない状況が続いていた方です。
精神疾患である気分障害や双極性障害等の影響もありますが、興奮状態になると暴力的な発言もある中々個性の強い方でした。
1ヶ月程度は、利用者間・スタッフ間との関係性で悩まれていましたが徐々に慣れ始めた頃、新規の利用者さんが2名程利用開始となりました。
対人コミュニケーションについて苦手意識があるAさん、人との距離感をうまく保てずつい暴力的な発言も多かったAさん。
私は、「新規の2名の方、Aさんと一緒に作業をさせるとちょっと不安だな」と何かしらの対人トラブルが起こるのではと不安感がありました。
とはいえ一緒の部屋で作業をするしかなく「自分が間に入りながらフォローしていこうかな」と思っていました。
新規の方々と対面した際、やはり予想通りの険しい表情。
若干の妙にピりついた雰囲気になったため私は、お互いの自己紹介を促しました。少し場はほぐれたかと思い作業の説明を行っていたところで外部からの電話の呼び出し。
ひとまず電話対応で部屋を出ましたが、Aさんと新規の方のみの空間になってしまうため若干の不安が頭をよぎりました。
電話が終わりすぐに作業部屋に戻ろうと部屋を開けようとした時、Aさんと新規の方の笑い声が聞こえました。
「おっ!」と思い部屋に入ると二人は笑顔で談笑していました。
「はじめてやから緊張するやろ?」「私もそうやったよ」と新規の方の緊張を察したのか、Aさんは新規の方の緊張をほぐそうと自らコミュニケーションを図っていたのです。
利用開始からその日までの私が抱いていたAさんのイメージとは違うAさんで私はとても驚きました。
その後作業に入っても「ここをこうするんで」「それでいいよ」等、積極的に作業のサポートをしたりするAさん。
私は、支援をする側と支援をされる側では見出せないAさんの良さを感じることができました。
人と人との関わりの中で、その人の本来の姿が見出せことがある。改めて感じた瞬間でもありました。
その日からAさんは、その作業部屋ではリーダー的存在として他利用者さんのサポート等を率先して行うようになりました。
環境一つでこんなに変わる。Aさんにとっての役割ややりがいというもの。
これらちょっとしたことでも人の心は動く。
私たち支援側が行うことがすべて正しいわけがなく、私たちが行うことは、その人の良さやその人らしさを見出す数ある手段のうちの一つ程度のものだと改めて思います。
決して支援者側は「私がやってあげたから」「俺がこれをしたから」というクライエント主体とは相反する思考でアプローチすることは避けた方が良い。
あまりいませんが時々いるんですよね。こういう療法士。
クライエントの心が動くきっかけをこっそり仕掛け、変化をこっそり見届ける。ピンチの時は早めに近づき、またこっそり心を動かす。
クライエントにとって「この人(療法士・支援者)がいないとできない」ではだめなんですよね。