非常識人 第四十三話 シャブ中のび太
彼はまるで流れ星のようだった。
突然現れて突然消えた。
通称のび太。
俺や俺の友達はジャイアンが多い。
至ってシンプル。 それが命名の理由だ。
俺が出会ったきっかけ。
出所直後の仲間への頼みだ。
詳細は第四十話に書いている。
仲間に連絡を入れる。
「やべー先輩に裏切られた!道具ねえとなんもできねえ!名義人立てて!出所祝い!」
「あ!ちょうどいいバカいますよ!」
そこで出会った。
彼は既にシャブ中だった。
局部の裏筋が擦り切れるほど自慰行為と風俗が好き。ネットルーム暮らし。
破滅への道を歩んでいた。
彼の生い立ちを簡単に説明する。
施設育ち。両親はいない。
元々は期間工で真面目に働いていた。
決められた事は出来る。
だがまるでロボット。
全く機転が効かない。
かつ自分の意思や自己主張がゼロ。
要はガキだ。
高級車を沢山購入。
理由はシンプル。「くるまがすきだから」
社会人をキチンとしていた分クレジットカードの枠が広い。
幼な過ぎる。
その後ローンが支払えなくなり25歳で借金は800万。
俺らが悪いことをさせて出来た借金ではないので予め伝えておく。
その時。
あるタイミングで俺の仲間と出会った。
そこで初めて「色々な遊び」を知ってしまった。
「こんなに簡単に稼げるんですか!」
バカか。危険な配達員だ。
稼いだお金も全て薬物と風俗に消える。
だからいつまでもネットルーム暮らし。
「お前金貯めろって!」
仲間が何度言っても愛情すら伝わらない。
「俺の言う事メモしろ」とまで俺も言った。
だがバカはどこまでもバカ。
自我が無い人間は信用されない。
当たり前だ。
だが誤解は避けたい。
多少いじりはした。
面白いからだ。
だが殴ったりお金を取ったりはしていない。
多少運転手としてコキは使った。
仕事も選ばせた。
道具もフル悪用はしていない。
というよりも彼がみん銀すら審査落ちしてしまうので何も出来ない。
「のび太以外のみんぎん」
に名前を変えるべきだ。
その後。
まさかだった。
彼は俺の仲間を裏切った。
配達すべきものと現金を全て盗んで逃走。
そして彼の現在。
代用監獄にいる。
もちろん罪状は所持と使用。
しかも有る事無い事をチンコロまでしている。
最低だ。
ただ情状酌量で単純所持と使用で執行猶予になることが目に見えている。
裁判日も伝わっている。
彼は出てきたら待っているのは地獄。
それだけだ。
俺たちを舐めすぎた。
P.S やいのび太。