薪ストーブのあれこれ

2022年2月4日

 我が家の北側は、ここ数年空き地になっていました。宅地としての販売からすぐに新築が始まりました。新築現場を見ていると、プラモデルを組み上げるように重機で家が建ちました。建築現場の方に「今は、木を刻むことはないのですか」と尋ねてみました。返事は「木材を刻んで家を建てる大工さんはいないよ」と返事が返ってきました。子どものころ見ていた大工さんは、鋸とカンナとトンカチとノミと曲り金を使って家を建てていました。並んでいる数本の木材に向かってノミでいろいろな場所にいろいろな形の穴を掘ったり刻んだりしていました。

それを見ていた子どものころ私は、どの木材がどこに使われるのか不思議でなりませんでした。大工さんはすごいなと感心して見ていた記憶が有りました。

 隣に新築された家に、我が家の薪ストーブの煙がもくもくと流れたら、これは迷惑極まりないと気になりました。今までも北からの冷たい風に煙突の煙が押し流させ日には、東側の家の方に低く流れていました。何度となく外に出て煙の確認を行ってきました。境界のヒバの木を高く伸ばし(煙突が見えなくなるまで)煙が北や東に流れにくくしていましたが、今度は日照の問題が気になり出し、高さをだいぶ詰めました。そんな経験から、燃やすものと燃やし方に工夫が生まれました。

煙がもくもくと出るのは竹です。行き場を失っている竹材を少しもらい受けて割って燃やしてみると煙がもくもくで煙突に煤も沢山たまります。それから、杉・松・モミ・檜などの針葉樹です。薪ストーブの火力を弱めようと空気の取り入れを絞った時などは、薪ストーブの耐熱ガラスが真っ黒く煤が着きます。気温がマイナスの日続くと、煙が煙突の出口で空気に冷やされ、煙突の出口付近の内側に固まり付着します。このことで薪ストーブの煙が煙突に吸い込まれなくなり不完全燃焼となります。このことを無視し、薪の投入口を開けるものなら一瞬にして室内は煙だらけになってしまいます。

こんな経験から学び広葉樹を薪にすることでした。夏までに集めた広葉樹を、冬まで乾燥させて燃やしてみると、割らない薪の切り口から、水分が泡になって吹き出しながら燃えてゆきます。このことも子どもの時に経験していたことですから、続けて燃やしていました。でも、煙突に煤はたまり10日に一度は煙突掃除です。白い煙も出続けていました。冬無風の夜空に真っすぐ揺れる事も無い煙が立ち登るのを美しいと見ていたこともありました。割って乾燥させた薪はそうでもありませんでした。*そうか、乾燥から身を守るための樹皮の働きに、改めて感心しました。

割った薪でも割る必要のない太さの広葉樹の薪材を2~3年間乾燥させた薪は、今までの問題を解決してくれました。更に煙が少しでも北側へ流れないように、煙突を南側に傾けました。(写真) 倒れそうな煙突を、針金やバンドで固定しました。我が家の煙突は煤のつきにくい二重煙突ではありません。それでも今は一月に一度かな、煙突の内部にライトで照らしても、煤はついていません。たまには煙突掃除をしておくかなと楽しんだのが昨日でした。

次は、焚き付けです。近くの知り合いが、薪ストーブならこれを使ってと持ってきてくれました。幅1㎝ほどの薄いカンナクズでした。着火にはもってこいで火力も強くすぐに薪に火が移りました。ある日薪ストーブ内にカンナクズと薪を入れマッチで火をつけ、あとは薪ストーブにお任せと外に出ました。そうしましたら、煙突からもくもくと煙が立ち昇ってっていました。このことを知り合いにお話しをして、善意をお断りすることになりました。このカンナクズは針葉樹のものでした。

次の焚き付けは、子ども自然体験で火を扱う時に、山や森から小枝を拾い集めて燃やそうと同じ様に、杉の葉と小枝を拾ってきていました。特に枯れて乾燥している杉の葉は、焚き付けにもってこいです。薪ストーブの中に杉の葉から太い薪まで重ね合わせて準備をしたうえで、外の煙突の曲がり角のキャップ外して煙突の中へ杉の葉を入れて火をつけ、すぐにキャップを戻します。家に入り、薪ストーブの杉の葉に火をつけます。音を立てて空気を吸い込み燃え上がりました。煙突の中で杉の葉が燃える時、薪ストーブから空気を吸いこみ煙突内で上昇気流を生み出してくれたからです。これはいいぞと続けていました。ある寒い日の夜でした。遅く帰ってきたので室内は冷え切っていました。早く室内暖めたいと、この方法で多めの杉の葉に火をつけました。パチパチと煙突内で燃える杉の葉の音がしたと思うと当時に、煙突の先から火花が飛び散りました。明るいときは見えないほんの少し火花でも暗闇の火花は「まずい」と思いました。こうして杉の葉の焚き付けも終わりにしました。

今は、灰を取り去る時に、火だねとなる燃えカスの炭を灰の中に残しておきます。火を焚くときに薪ストーブの扉を開け中の灰をかき混ぜると、燃えカスの炭が赤くなってきます。(これも田舎で子どもの時にやっていたことです。外遊びから帰って来ると「そろそろ火を起こせ」の声がかかります。囲炉裏の真ん中に残り火を集め、灰をかぶせておいた灰の山を崩し、火を起こしていました。)

赤くなってきた燃えカスの炭の上に、割り箸の様な細い焚き付けを長さ5センチ位に切って乗せます。その上に空気の通り道を見ながら細めの薪を乗せます。こうして待つことほんの数分。焚き付けの温度が上昇してきます。そこへ、火吹き竹で空気を入れるか、ガスバーナーで火を当てるかです。こうして燃え始まった火に良く乾燥させた2~3年物の薪を加えます。煙突からは、燃え始めの数分は煙が少し確認できます。太い薪も勢いよく燃え始めると、煙突からは煙が消えてきます。熱気が立ち上るのは確認できます。煙は色を隠し、お家の中は暖まります。これで良いと、寒い冬を暖かく過ごしています。薪はどんどん消費します。これからは薪集めです。切って運んで軽トラックに積んで、降して運んで、薪サイズに切って割って、薪棚に積んで置きます。

追:我が家に庭に時計型ストーブやカマドなどを設置してあります。子ども自然体験で火を扱う場合には、「煙突から煙が出ないようにね。隣近所に迷惑になるからね」・「ほら洗濯物が干してあるよ」・「完全燃焼させると煙はあまり出なくなるよ」などと伝えると、それなりに火の扱いが上手なります。

 文を書くより薪を集める作業の方が疲れないです。今日はここまで。

写真:書き終えてから薪ストーブの灰を少し取り、火を焚く順番を撮りました。時間を追ってみてください。10分後位で煙突の煙が目立たなくなりました。

 写真9090は、右の薪は3ヶ月前位に割って積んだ薪で、左は2年半前位に積んだ薪で数日前から燃やし始めました。

 

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