若者の鉈を振り落とすスピード感
2022年3月18日
布団の中から手を伸ばし、遮光カーテンを少し開けて外を見る。昨日と同じ時間なのにとても朝とは思えないほど暗い。霧雨も降っている。夏日の様な昨日から今日は冬日に変わっていた。三寒四温を実感する。薪ストーブに火を入れ、水が少なくなったヤカンに水を加えて、薪ストーブにのっけた。テレビやラジオの(スマホは無い)スイッチを入れずに、静かすぎる朝にコーヒーを飲んだ。薪ストーブの上から音楽が聞こえてきた。「チンチン、シャワシャワ、チンチン」と、ヤカンの水が沸騰している音だ。静寂の中でこの音を聞いた時、70年もたった田舎での子ども時代を鮮明に思い出した。藁葺き屋根の囲炉裏に吊るされた、鉄瓶の水が沸き上がった時の音と同じだ。ヤカンの音を良く聞くと、鉄瓶の音の方がやや高かったような記憶にたどりついた。雪遊びで濡れた足裏を囲炉裏に向けて、鉄瓶の音を聞きながら眠ってしまったことも。この囲炉裏の心地よさが体に浸みているせいだろうか、薪割りが楽しく続くのは。
先日若者が一人やって来た。中学生の男子だ。彼は何度となく我が家訪ねている。今日は、シイタケ原木に穴をあけ、種菌を植え付けて林の隅に立てかけた。私の原木から顔を出していたシイタケを確認していた。
薪にするための栗木の玉切り(太さ35㎝長さ50㎝を重いと言いながら2本を運んだ(切ったばかりの生木は水分が多量に含まれている。35×3、14×50=5495ccの水の重さの半分として25~30㎏の重さになる?でいいのかな)その栗木2本を薪にするために、彼が鉞で叩き割ってくれた。最後は、叩き割る感じから、鉞を振り落とすスピード感のある美しい姿で割っていた。
薪割りが終わると「竹が少しほしい」と言ってきた。話しを聞くと、昨年は薪の樹種による火力(エネルギー)の違いの研究でした。今年は竹が曲がったり、しなったりするのは、竹の内部構造によるものではないかと思うので、調べてみたいと語ってくれた。シイタケとノラボウ野菜のお土産を手に帰って行った。
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