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厳冬を遊ぶ。

正月明け、清里の自然学校で2泊3日の野外活動を楽しんできました。
「冬イチゴの会」5家族とレンジャーさんたちと一緒です。

印象に残った事柄を書いてみます。

「丸太キャンドル」

薪材として手に入れたヒノキの丸太を、長さ4~50㎝に切り、四ツ目にチエンソウを入れて乾燥させた「丸太キャンドル」を7本持ち込みました。子どもたちは着火を始めました。なかなか着火しません。そのことも考えて着火用のバーナーも準備しておきました。が、子どもさんたちは「丸太キャンドルにはバーナーは似合わない」と、森で拾い集めたマツポックリなどで、時間をかけてついに成功させました。私も学びました。気温が低いとき、丸太が冷えきってしまい、なかなか着火温度(270~300℃と思う)に達しないのではないかと思ったのです。着火部を8割りや16割りとすれば、その部分が焚き付けの役割を担ってくれるのではないかと、次回に考えております。

「氷のリース作り」

 清里は寒いです。冷え込みます。過去に-15℃以上の寒さの中で、子どもさんたちと夜の森に出かけたこともありました。今回は-3~-5℃でした。暖かい清里の夜でした。氷のリース作りに適した容器に沸騰させてから常温にした水と、水道水直接の水の二種類で、その違いを探りました。
(できた氷の中に気泡が多いか少ないかの違いです)翌日の朝食前に出来具合を見に行きました。容器の中の水は中心まで氷が出来ていなかったため、その違いはあまり感じられませんでしたが、その美しさは格別でした。

「結氷渓谷」

 

3歳から中学生までとスタッフ4名の計10名で、森の中の霜柱を踏み歩き、林道の残雪にそりを滑らせながら目的地へ向かいました。途中の春の気配を感じるような陽だまりのなかで、お弁当となりました。カラマツの梢の奥に、純白の八ヶ岳の峰々の美しさが印象的でした。子どもたちは、そりの楽しさの方が勝ったのではないかと思うほどでした。

ツララの谷底は日陰なので、暖かい日といっても寒く冷たく大きなツララをみる事ができました。

ツララよりもサラサラした雪が面白いと遊びこむ子どもさんがいました。そのお子さんが「シノキ ここ 歩いて」と、私は「ハーイ」と、一歩踏み出しました。その時を音にするとこうです「ズボ ドボン ジャポン」・「ヤッターヤッター」でした。もうお分かりですね。そうです。雪をかき集め水溜りを白い落とし穴に仕込んでおいたのです。そこに私がはまったのです。「ヤラレター」と「ヤッター」との許せる間柄の大人と子供でした。(私はスパイク着きの長靴でした。それを理解しての仕込みと誘いだった様です)
3歳の子どもさんは歩き疲れて、スタッフさんの背中での帰りとなりました。

「宿泊施設の夜の出来事」

 宿泊施設内での夜9時30分ごろでした。子どもさんたちは、疲れて、食べて、夜の焚き火後でしたので寝静まった時間帯でした。全館に響いたのが「トントントントントン」の音でした。私の夜なべ仕事の音です。氷を歩くときの滑り止めを作り始めた音です。煉瓦の上で、湿らせた藁を木槌でたたいた音です。藁を柔らかくしてから、縄をなじりました。この音を不思議に思った保護者の方が集まってきて、縄なじりを始めましたが、なかなか縄になりませんでした。私の子ども時代の冬の夜なべ仕事は、家族全員で縄なじりでした。子ども時代に、物事を丸ごと身体で体験し、身についたことは、65年以上の時を越えても、同じように身体から取り出すことができました。
(追:宿の方に、夜に音を全館に響かせてしまってすみません。他の宿泊者がいなくて良かったです。土日なのに何故他の方がいないのですかと聞いてみました。*皆さんの会の方がたで満室になると思って、他の申込を受けなかったのですと、話してくれました。感じ方はそれぞれと思いますが、薪割り爺さんは「商売は難しいな~」と受けとりました。


「冬いちごの会」の翌週は、高知市内の私立幼稚園へ出かけました。私は園児たちの撮影で愛棒(相棒)は講演でした。私の白黒写真集「日々わくわく」の園です。コロナで3年間途切れてしまった白黒写真撮影の復活です。撮影内容は、園長先生から一任されているので、私の感性のままシャッターを押すことができます。園児さんたちの園生活と、私の感性が響きあえる場面が多くあります。今回も、ステキな白黒写真が撮れました。

園児に追われて逃げる先生が、園庭のケヤキの木の裏側に隠れました。それをケヤキの木の正面から伺う様子の幼児。木を中央に挟んでいる両者のほほえましくも、優しいかわいらしさを、白黒写真に醸し出すことができました。登園後再び園バスに乗った園児たちは、「すくすくの森」と言う、園所有の森へ弁当をもって出かけます。森には、森の管理人という方がたや、自然解説員の方と理事長と数人の保護者の方が待っていてくれました。この森は樫の木が多く、林床も暗く、立ち枯れの木も見られた森でしたが、森の管理人さんと園とのコミニュウケションで、森はバランスを整え園児たちを受け入れていました。

私は園児たちの「秘密基地づくり」に関わりました。私は大きな声で「リジチョウ シャシンヨリ ヒミツキチツクリガオモシロイ」と言いました。理事長は微笑んでくれました。作業中には写真を撮ることはできませんが、こうした園児との関わりの中で、生まれてくるシャターチャンスがあります。森の管理人さんの話しを真剣に聞く園児たちや、秘密基地の支え柱をしっかりと紐で結ぶ幼児たちです。
*自然と安全の間の園児たちを、いつも考え、行動している園長と先生方を初め、多くの方がたが具体的に見守っていました。幸せな子どもたちだなと感じました。このことから、園児の森の中の笑顔、笑い声、真剣なまなざし、程良い緊張感、好奇心、自由度、仲間などなどが、白黒写真に現れてきました。


高知から帰った週末の日曜日は、「冬の里山を歩く会」を、秋川丘陵の弁天山コースへ愛棒と一緒に案内をしました。丘陵地といっても山の上り下りがあります。参加者の方がたは、土道や山道の経験の浅い方がたで、都内の港区から参加でした。

大寒の季節に「春を見つけよう」と問いかけながら歩きました。里山とは、山の名前ではなく、里と山が人の暮らしを支えてきた場所を指します。家を建てる場所よりとても大切な場所は、作物の生育に欠かせない、日当たりの良い場所です。

そんな場所に通りかかると、参加者の方が「ナニコレ」と聞いてきたのが、野菜の霜よけでした。畑の方にも聞いてみようと、声を掛けました。「ソウソウ シモ ヨケダヨ」と、声を返してくれました。その日当たりの良い場所には、ピンク色で小さな春が咲いているのを、皆で確かめました。

里山を歩きながら、いつものと同じように呼吸をしていたわけです。終わりの後に、参加者のコメントが届きました。*今日は沢山感動した*スッキリした*都会に住む子どもたちに、こういう体験をさせたい*四季折々に体験したい*異世代の交流も良かった。でした。

薪割り爺さんの薪ストウブの話し

薪棚の薪がどんどん燃えて、灰になっていきます。暖をもたらしてくれ薪に感謝ですが、消えてゆく寂しさもあります。長さ45㎝~50㎝に切った生木を積んで置いた、高さ1.7m×幅4mと高さ1.3m×幅3mの2ヶ所の薪棚の薪が、今シーズンに入り燃え尽くしました。今燃やしている薪はカシ類です。火持ちも燃え方も良く、カシ類はいい薪になりました。生木を切って割って、2年半位の薪棚に積んでいた薪は、煙突内に煤がたまりにくいので、空気の吸い込みがよく、赤々と燃えています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 





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