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毎日エッセイ:好きな物に熱狂しても、人生には関係ない

  米津玄師のライブ先行抽選に当選した。米津のライブには何回か行っていて、どれもCD初回特典の一次抽選に一口で当選している。基本的にツアー最終日付近の大きめの箱にしか申し込まないからなのか、それともただ運がいいからなのかはわからないが、ありがたいことだ。
 今でこそ国民的ポップスターの米津だが、過去のインタビューを見れば、非常に多くの苦しみを抱えながら青春時代を過ごしてきていることがわかる。そんな彼の音楽に僕は共感してきたし、何度も救われてきた。最近の米津はそういった鬱屈の籠った曲を出さなくなったが、それでもやはり新曲が出るのが楽しみだし、今でも大好きだ。僕は、基本的に自分が共感できるものを好きになる傾向がある。
 しかし、ふとした瞬間、「勝手に共感してるけど、スターになった米津と違ってお前は陰キャコミュ障童貞引きこもり弱者男性予備軍キモオタクのままだよ?」と、脳内で敵が自分を突き刺してくる。実際これは正しい。好きな物に熱狂するのは結構だが、それはどこまで行っても他人事でしかない。ライブで腕を振って一体感を感じて盛り上がったところで、僕の人生には関係ないのだ。
 とはいえ、people1のエッジワース・カイパーベルトの歌詞にある「好きな物が多いほどこの世はずっと楽しい」という言葉も真実だと思う。今の僕は好きな物に心を潰されそうになっている。しかし、純粋に共感していた時のように、心の支えになってくれることもある。僕は現在、好きな物を充分に楽しめる心の余裕がないのだろう。

 最近ではゲームをしたり、漫画やアニメを見ている時も敵が脳内で囁いてくる。このままでは好きな物を嫌いになってしまう気がして、本当に辛い。そろそろ僕も自分の人生と向き合い、外に出て、人と関わる練習をしなければならないのだろう。


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