したいことから考える

 川沿いの道を歩いていると、少年が土手に座りながら絵を描いている。描く様は真剣そのもの。この少年は本当に絵が好きなんだな。
 30分経っても、ずっとその絵と向き合って描いている。
「本当に絵が好きなんだね。」
 相手に迷惑と思いつつも声を掛けてしまった。
「うん、僕ずっとこうして絵を描いていたいからさ。」
「そうか画家になりたいんだね。」
「違う違う、僕は絵を描くことが好きで、好きだからそれをずっと続けていきたいんだ。」
「それはつまり画家になりたいってことじゃないの?」
「うーんそうかもしれないけど。もっと自由に描きたい。」
「例えば?」
「うーん、例えばこの空中に自由に絵を描くことだって、いつかきっと出来るようになると思う。それを誰かと一緒に見たりしたい。」
 空中に絵を描く?そんなこと出来る?でもどうやって?
「空中に絵が描ける時代なんてくる?」
「うん僕はそう信じてる。だってあそこにある車だって昔はなかったでしょ。」
「確かにな。」
 その瞬間分かった気がする。大人になると、常識的に考えたり現状から考えたりする。もしくは今だったら画家とかカテゴライズしてしまうことも多い。
 画家になりたい、看護師になりたい、歌手になりたい。こんな風になりたいことからカテゴライズする。
 でもこの少年はしたいことから考えてる。絵を描いていたい。誰かと一緒に見たい。これは似ているようで大きく違うことかな。
 なりたいことを考えていると、なぞった形になる。誰かがやったことやそのレールを歩くことになる。別にそれが必ずしも悪いことじゃないけど、これからの時代もっと自由に考えても良いんじゃないか。
 この少年が考えてるように、空中に絵を描いて、それを誰かとその一緒に見て、時間と思い出を共有する。そんなことが出来る時代がくるかもしれないし、形は変わってもそれに近いことを仕事として出来ることようになるかもしれない。そこを目標にして行動するんだから。
 常識的に考えたり、現状から考えるのではなく、自分のしたいことから仕事を考えてみる、もしくは作ってみる。
 こんなことを少年から学ばせてもらった。
「きっと出来るよ、その空中に絵を描いて、それを誰かと一緒に見るって。」
「うん。だから僕はそうやっていたいの。」
「ありがとうな。じゃあまたね。」
「うんまたね。」
 自分の考えを変えてくれる時間、心がほっこりする時間だった。

 僕達はうち現状から考えたり、なりたいことから考えてしまいませんか?
 でも人それぞれ幸せの形も違えば、好きな環境も違う。多くの人に囲まれて、多くの人と関わり合いながら仕事をするのが好きな人もいれば、1人で黙々と何かに打ち込むことが好きな人もいる。
 でもなりたいでは型にはめこんだり、現状から考えてしまうことも多いにある。もっと自由に考えて良いのでは?そのヒントは何がしたいかではないでしょうか?自分が幸せに感じることやその環境から考えてみる。
 今仕事に悩んでいる方がいれば、1度だけでも良いので考えてみて下さい。僕も考えます。

Youtubeやvoicyで大活躍されているMBさんの話からこの1コマを組み立てました。MBさんの放送も是非聞いてください。(僕なんかが書かなくても十分でしょうけど。)

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