僕たちは誰かのために自分を殺すことはできるのか?
扉が開く。
さまざまな髪型のさまざまな年齢の人々が券売機でチケットを買う。
そして、待合にありの行列のような光景が出来上がる。
「お待たせいたしました!
今日はどのような髪型にしますか?」
一字一句同じセリフを同じ笑顔で淡々とこなしていく。
想像力はいらない。
ただ決められた型を使って流れてくる荷物を仕分けるように髪型を整えていく。
だからといってみんな同じ髪型になるわけではない。
頭の形がみんなちがうからみんな違う髪型になる。
1日40人、週で200人、月で880人。
この中にハズレな客が3割ほどいる。
人と会うのは精神力を使う。
すり減った心で僕たちはどこまで人のために働くことができるのだろうか?
多くの人が精神に異常きたし、休職に入る。
その現実をどこまで見ないふりできるというのか。
僕はそれが気に食わない。
この現状を真剣に見ない現場外の人々が憎い。