アナログ盤蒐集 2023年4月18日 Mando&Chili Peppers 50年代USガレージ
比較的最近存在を知ったこのアルバムは巡り合せ的なものが悪かったのか何故か取引の空振り・・・みたいのが続いて3度目か4度目の正直でやっとこさ手元に来た個人的にいわくつきの一枚。実は入手からは2年ぐらい経ってたりする。
ある程度の期間ヴィンテージミュージックを聴き込んでると、大体界隈でカルト名作扱いされるアーティストや作品の傾向・・・みたいのが分かってくるものだが、たまにそういう要素が結構揃っているにもかかわらず知名度が低かったりして、故に何故今まで自分がこれに出会えなかったんだろう・・・みたいなものに出くわし、又それが大きな喜びでもあったりするんだが、このMando&Chili Peppersもそのパターン。
アルバムを出せるチャンスや条件が揃ったアーティストが限られていた50年代においてアルバムが出ていて、ジャケも申し分なくかっこよく、元祖ガレージバンドの一つとしてカルトな指示を集めるウェイラーズと同じゴールデンクレストレーベル、メンバーはチカーノ系・・・と軽く列挙しただけでもフィフティーズ、ガレージ、ブルースetc・・辺りのマニアの嗜好をあらかじめ知っていたかのように各方面でカルト化する好条件が揃いまくっているにも関わらずあまり話題になってるのを見たことがない・・・というか自分も5年ぐらい前にネットオークションで見かけるまでは存在を知らなかった。
自分の入手したモノはレーベルの片面が剥がれ落ちてる・・・てのも色々と雑なインディーレーベルっぽい・・・というか大量生産プロダクツのクオリティコントロール自体が今からすると考えられないほど雑だったと思われる50年代ならではとも言えるし基本空気が乾燥してるイメージのアメリカならでは・・・って感じもする。実際自分がネット上で何度か見かけた個体の8割以上がレーベル両面もしくは片面がなくなってるパターンだった。とあるベテランと思われるセラーの商品解説に「レーベル欠落はこのレコードではよくある事」みたいな書かれ方をしているのを見かけたこともあるのでやはりそういう事なのだろう。
一応90年代にリイシューも出てたみたいだが、それはそれであまり出回っておらず入手には少してこずる印象だが、音盤収集をライフワークにしている者にとっては頭の片隅においておけば1年以内にはなんかしらの形で遭遇するレベル・・・だと思うのでプレミア価格を出すほど・・・ではない印象・・なので2023年4月現在アマゾンで3500円越え‥というのはおススメできない。もっとリーズナブルに入手するチャンスを待つべし。所詮は90年代のリイシューコンピ、5,60年代の空気を吸ってきたオリジナル盤とは違うプラスティカルな質感の「たかが」大量生産プロダクト・・・でしかないわけで・・。