King creole/Elvis Presley ギターソロ タブ譜&解説
この記事を書いている2023年8月16日はエルヴィス46回目の命日…という事で今回は彼の生前発表した700曲近い楽曲の中でもあまり知られていないながらも耳を弾くギターワークを聞くことができる曲を取り上げようと思う。
1958年のエルヴィス主演映画のタイトル曲で映画の舞台ニューオリンズを意識したジャズ的なエッセンスを感じる隠れた名演だ。
ギターソロのアプローチは曲のキーであるB♭の12小節スリーコード進行にB♭マイナー(ブルーノート)ペンタトニックを基盤に50年代モノの定番である13th(6th)や9th音を付加したドリアンスケール的ペンタを基本にしつつそれ以外の経過音も生かしクロマチック的、即ちジャズ的な響きを意識した音使いとなっている。
又5小節目以降に登場する3弦9フレット♭5th音のベンディングは現代なら半音下の3弦8フレットをベンドするのが定石。このベンディングは次の2弦6フレットと同じ音を異弦ポジションで鳴らしすロック/ブルースギターでよくあるアプローチだが、この時代はまだ全体的にギターの弦が太く、3弦も今とは違ってワウンド弦を使うのが当たり前で1音のベンディングをするためにはかなりの指の力を必要としたことから、半音分のベンディングで済む音を使う、当時のギターソロではよく見かけるパターンだ。
同じエルヴィスの代表曲である56年のハートブレイクホテルのソロの4小節目の複音のベンディングがやはり同じように現代なら1弦15フレットのところを16フレットをベンドしているので興味があればチェックしてもらいたい。
これを単に当時の機材事情が遅れていたから・・・と片付けるのは早計で、現代のライトゲージがデフォルトの状況でもあえてこのアプローチで弾くことでより当時のニュアンスを演出する事ができる。百聞は一見に如かず、実際にプレイしながらニュアンスの違いを感じ取り自らのプレイのスパイスとして取り込んでもらいたい。