100人の声 NO.2
2/11 ゆみちゃん
1.仕事のきっかけ
小学校5年生の時に、人の話を聞くことを褒められ、将来を考えた。
漠然と考えた対人援助職(母や祖母が医療職だったことも大きく影響している)
(老人・障がい者児童等)対象を考えるよりは、いろんな人と出会う機関のある医療機関で働くことを選んだ。
医療機関で働いた。そこは、医療ソーシャルワーカーを配置することが初めてであったこともあり、院長、師長や事務課長等が期待を込め、かわいがってくれた。その後いったん福祉施設でも働いたけれど、水があわず再度医療機関で働くようになった。いったん他の機関で働いたことで、より医療機関で自分が何をすべきかが見えるし、できることがわかった。
2.今も続けているのは?
組織だからこそできることがあるから。一人だとできないことも組織を活用することで、患者さんや地域にできることがある。その醍醐味を知っているから。
また、法人内でソーシャルワーカーとして第一号の役職者になったことで、医療機関の中に「福祉職」=解決できないことを引き受ける職種を位置づけることができた。
組織の中でたちまわるおもしろさも感じている。
「わたしがいなきゃだめ」と思っていないので、今の職場にいる。
3.印象に残っているケース
まつもとさん。お母さんの面倒をみていた家族。転院を迫られても、条件の折り合いがなかなかつけづらかった。どちらかというと、めんどくさい家族さんのひとりだった。
その人が、「〇〇さん(ゆみちゃん)におみやげ」といって、キーホルダーをもってきた。一目見て高価なものではないとわかった。
彼女が言った一言。「もともとこういう人間なの」
お金はないけど、500円玉貯金をして、母とドバイへ旅行した、と語った。その時に飛行機のファーストクラスのシートから見た星空について彼女は語った。
「こういう人間なの」という一言は、言い換えると、「わたしのことをわかってほしかった」もしくは、「わたしのこと聞いてくれてありがとう」という言葉のように受け取った。
それから何年もたっているのに、いまだにそのキーホルダーは、わたしのコレクションの中に眠っている。
このエピソードは、何か象徴的なメッセージがあるわけではない。「だから、なに」「ただ、それだけ」というようなやりとりにしかすぎない。だからこそ、そんな「名もなき声」に耳を傾けていきたい。この合理化を問われる時代だからこそ、非効率なことに価値を感じていたい。
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